第25集
新月が父かと思っていたのは叔父であった。新月は自分を育ててくれた金は倍にして返すと父親に伝えるよう叔父に言うと、叔父は婚姻を交わしていないなら北平に戻るようにと言うが、新月は聞く耳を持たない。「そういう所が新月の父に似ている」という叔父。張啟山の新月への対応を気に掛ける叔父に、「彼はとても良くしてくれている」と新月が言うと最後は「新月飯店はいつもお前の後ろについている」と、これまでの自分の発言は全て新月の父の意志であると明かし長沙に残ることを許す。しかし、近頃の長沙は物騒だから気を付けろと、叔父は盗まれた唐代の玉佛が長沙で見つかった事を新月に告げる。
新月飯店の玉佛の件を九爺に相談する。新月飯店と九門は関係がないと言う九爺に、ただの盗賊ではなく別の目的があるかもしれないと心配する新月、九爺は新月から玉佛の写真を受け取る。
佛爺たちを待つ副官は、4人を2組に分け密室内へ捜索へ向かわせる。一方、佛爺も二爺を待ちきれない様子であった。
九爺のもとにやって来た陳皮は玉佛を九爺に見せ、新月飯店から流出した偽物であると言う。対して九爺は陳皮に二家の使いが新月飯店から預かって来たという「本物」の玉佛を見せつける。「偽物だ」という陳皮に「北平から持って来た玉佛を偽物だと言えるのか」と言う九爺。陳皮は「自分が持って来たのが偽物だった」と玉佛を叩き割り九爺の元を去る。実際は陳皮が持って来た玉佛こそが本物で、本物をわざわざ傷を付け偽物に見せかけていたのだった。佛爺邸に行かず、自分の元を訪ねて来たのは自分の態度を探るためだと言う九爺。陳皮の背後にいる人物を警戒する。
陳皮は裘德考の車を見つけ、新月飯店の玉佛を持って九爺の元を訪ねるように指示した裘德考を責める。裘德考は九爺を探るためだ、九門の中で最も手ごわいのは九爺だ、と言う。
九爺は陳皮の裏で手を引いている人物がいる、四爺の死とも関連があると推測する。
九爺を殺すとはやる陳皮に裘德考は「お前は殺すことしかできない、殺人は強者同士の問題解決としてはもっとも無力な方法だ」と陳皮に告げる。裘德考は上海での九爺の事業に目を付け、品物をすり替え、その罪を九爺に着せるように電話で指示をする。裘德考は「数日の間九爺が邪魔できないようにすればいいだけだ」と陳皮に告げる。
佛爺たちが待っていると、二爺が全身血だらけで瀕死の状態で戻ってくる。二爺は佛爺に破片を渡し洞穴を爆破するように言い、気を失ってしまう。二爺を抱え、急いで鉱山から撤退を指示する佛爺。佛爺は墓への入り口の門や鉱山への入り口を爆破し、鉱山を去る。
張府に戻った佛爺であったが、どうも調子が悪い。佛爺は部下たちに金を渡し今回の件について口止めをするように副官に命じる。新月は従妹で医者である莫測に診せる。大事は無いようで安心する新月。二爺が心配だという佛爺に、莫測に診てもらうように提案する新月。佛爺は自分の刺青と二爺が持ち帰って来た破片を見比べていた。
二爺は毒髪にうなされ丫頭の幻を見ていた。
第26集
八爺が女医と共に二爺の元を訪ねると二爺は気を失っていた。急いで薬を飲ませると、目覚めた二爺は女医を丫頭と勘違いしてしまう。
二爺は、墓の事でまだ知っていることがあるのではないかと問う八爺に密室の存在を教え、見終わったら密室を燃やすように告げる。密室で二爺の祖先が作った墓の模型を見た八爺は、墓は鉱山より大きく自分たちが入ったのは氷山の一角だったと悟り、それらを燃やす。八爺が密室を燃やしたことで墓に関する記録はこの世から消え去った。
佛爺の部下の陳は楼閣へ来ていた。陳皮から言われていた通り使いを出し、陳皮は楼閣へやって来る。陳は楼閣の女たちに鉱山の宝の事、二爺がもう少しの所で鉱山から出て来れなくなりそうだったというを話してしまう。翌日、長沙の郊外にある郊外に財宝があり、佛爺たちが鉱山に赴いていて財宝を独占しようとしていたという話が流れてしまう。
陳皮が赴くと入り口は爆破されており、他の入口も見つけられなかった。裘德考は陳皮に入口が見つけられないなら爆破された入口を開けろを告げる。
長沙中に佛爺が宝を独占しようとしているというデマが流れたことを確認した陸建勛と霍三娘。次の手を打つと霍三娘は佛爺を訪ねる。霍三娘は佛爺に鉱山は自分たち土地であるからと今回の探検の資料を渡すように迫るが、佛爺は突然激怒し霍三娘に銃を向ける。霍三娘はその場を去る。
八爺の香堂に来た佛爺は、八爺に鉱山から戻ってから体の制御がきかず、背後に人がいると感じたり霍三娘に対して突然殺意が湧いたり調子がおかしいと相談する。八爺は悪しきものを映し出すという鏡を佛爺に渡す。佛爺がその鏡をのぞくと亡き父の過去の情景がよみがえる。八爺に声をかけられ気も取り戻すが、「父を見てそれから襲われた」という佛爺。列車のうつ伏せの死体を思い出し、自分の背中に人が乗っているような感覚があると言う。佛爺はその事を八爺に口止めする。
陸建勛は張府を訪ね、墓への探検で多くの財宝を手に入れたのではないかと聞きに来る。佛爺は「噂を信じるのか」と一蹴するが、陸建勛は上層部の指示で聞きに来たのだと告げる。佛爺は長沙の防衛官の席に着いているのは自分だと上層部に伝えるように陸建勛に告げる。
九爺の国外事業に問題が発生していることは無関係ではないと、陸建勛と霍三娘が同盟を組んだとなると気を付けるように副官に命じる佛爺。
陸建勛が戻ると陳皮が待っていた。次の手はどうすると聞く陳皮に、陸建勛は「二爺を捕まえる、お前は鉱山の入口をどうにかしろ」と告げる。
陸建勛は紅府に赴き、二爺を逮捕する。佛爺はすぐに陸建勛を訪ね、なぜ捕まえたのかと問い詰めると「墓に入ったからだ」と答える陸建勛。「鉱山に入ったのか入っていないのか、入ったなら上層部に報告する」と言う陸建勛に、佛爺は「上層部へは自分で報告をする、自分が九門の頭であることを忘れるな」と告げる。
陸建勛は紅府の捜索を始める。
第27集
紅府の捜索を始めた陸建勛は密室の存在に気付き、鳩山報告の断片を見つける。
佛爺と八爺は茶屋で待ち合わせをしていたが、佛爺は陸建勛の部下に尾行されていた。長く拘留されている二爺を助け出す方法として、一つは陸建勛に証拠をつかませない事で釈放せざるを得ない状況にする事、二つ目は危険は方法であることを告げる。準備をするとその場を去る八爺。
佛爺は陸建勛を訪ねる。陸建勛は「暫くの間、何をしていたのか」と聞くと「体調が非常に悪く北平に薬を探しに行った、それでも治らず療養していたが、その場所が鉱山の近くだった」と答える佛爺。早速裏を取りに鉱山近くの村へと赴く陸建勛、村人は佛爺が来ていたという話をする。それは八爺の根回しであった。
陸建勛は質屋を訪ね、佛爺と二爺の家財を買い取ったことを聞くが、顧客情報は秘密だと言う店主に銃を向け、家財の件を聞き出す。そして、日本人が二爺のために大量の骨董品を抵当に入れたと証言をしてしまう。
霍三娘は牢獄の中の二爺を訪ね「鳩山」について聞いていた。霍三娘は「陸建勛の要求に答えれば牢から出られる」と
二爺を説得しようとするが二爺は応えようとしない。霍三娘は「あなたのためなら全てを捨てる」と二爺への想いを告白するが、霍三娘を返す二爺。
陸建勛は部下に命じ、二爺に無理やり罪状を認めさせる印を押させることに成功する。陸建勛は佛爺を訪ね、二爺の血判が付いた罪名状を見せつける。二爺を上層部へ送り、処分を任せるつもりだという陸建勛に、佛爺は墓へ潜ったのは自分だと認めるサインをするが、同時に墓の中は非常に危険だと警告する。佛爺は二爺の安全を保証すれば協力すると言い、防衛官の肩章を陸建勛に渡してしまう。
徳興茶楼にいる陸長官のもとに張啟山を倒した祝いを言いに来たと言う裘德考が訪ねてくる。墓には凄い宝が眠っているに違いないという陸長官、宝を決して外国人なんぞに渡すなと部下に命じる。部下は裘德考には大きな勢力が付いているのではないかと案ずるが、一外国人が何をしても恐れる事はないと言う陸長官。
裘德考と田中は陸建勛が大きな権力を握ったことについて話し合っていた。裘德考は勢力を失った張啟山が陸長官と同盟を組みさえしなければいいと考えていた。次の策はあるのかと聞く田中に、陸建勛が新しい行動を起こしていないという事は二月紅から有益な情報を得られていないという事だと言い、暫くは様子を覗うように田中に告げる。
田中は二月紅が収容されている牢へ赴く。二月紅は陸建勛が裘德考に手間をかけさせているのではないか、そして田中の行動は裘德考の許可を得ていない事を見抜く。田中は墓の状況を教えれば牢から脱出させると二月紅に持ち掛けるが、二月紅は「簡単に入ってこられたと思わないか」と言うと、田中は陳皮に捕まってしまう。
深夜、裘德考は徳興茶楼へ来るように陸長官から呼び出される。そこには捕まった田中がいた。陸長官は「兎死狗烹(利用価値があるときだけ用いられ、無用になると捨てられてしまうこと)」と「杯酒釈兵権(酒一杯で権勢を奪う)」という故事成語を話に出し、田中に茶を飲み干すように促す。
第28集
田中凉子は裘德考に促され陸建勛の茶を飲み、その場は解放される。
商会へ戻り、田中凉子の勝手な行動を叱責する裘德考。裘德考は陸建勛への敵対心を燃やしていた。
霍三娘は、二爺の地盤を自分に管理させてほしいと頼むが、事情も変化しているためそうはいかないと言う陸建勛。霍三娘は「長沙の地は終始陸長官の地盤にはならない」と提言する。地盤についての裁定を急ぐように霍三娘は陸長官に金塊を見せるが、「もう一人に聞かねばならない」と言う陸建勛。
陳皮が紅府を乗っ取ろうと陳府の看板を掲げていたところに、陸建勛と霍三娘からお呼びがかかる。
二爺と佛爺の地盤をどう分けるかという問題で揉める陳皮と霍三娘。陸長官は二爺の地盤は陳皮に、佛爺の地盤は霍三娘にと提案するが、話は決裂したまま。そんな2人に「自分が九門を掌握すればどの地盤を持って行ってもいい」と告げる陸長官。九門を掌握するという言葉に嫌悪感を示す2人にすかさず非礼を詫びる陸長官。結局地盤の件は1人1つずつと言うことに落ち着く。
その晩、陸建勛、霍三娘、陳皮の3人は乾杯をしていた。陸長官は2人に自分が墓へ入り財宝を手に入れる手助けをするように言う。利益の分配は3割ずつだと言う陸長官に不満な様子を見せる2人だが、陸長官は陳皮に「師匠よりも多くの物を与えてやる」と兵を貸すことを約束する。
陸建勛は裘德考の監視を解くように部下に命じる。上層部から軽率な動きをしないよう命令があったと言う。一方、二月紅は一向に口を割らないという。霍三娘を呼び出すよう部下に命じる陸長官。
裘德考と田中凉子は互いの利害一致を再確認していた。
陸長官は霍三娘に牢へ行き「張啟山は罪を全て白状した、自分に従うように」と伝えるように言う。従わなかった場合「二月紅が死にたいなら…」と銃を取り出す陸長官、その銃を霍三娘は陸長官に向ける。霍三娘は「張啟山が九門の頭になったのも簡単な事ではなかった」と忠告をする。陸長官は佛爺邸の警備を強化し、誰も入れないようにせよと命じる。
一度目を覚ました佛爺に、病がこのままなら北平に連れて行くと言う新月。「新月飯店を巻き込みたくない」という佛爺に「別の所に行こう、手筈は整える」と新月が言うと、そのまま再び眠りについてしまう佛爺。
陸建勛は八爺の香堂を訪ねていた。何か利用できることはないかと訪ねて来たのだった。早速八爺に占いを頼む陸建勛、八爺は陸建勛が両親を亡くした年代や、結婚した時期を言い当てる。その様子を見て陸建勛は、八爺に自分の下で働かないかと誘うが、八爺は陸建勛に「権力が大きくなればなるほど薄命になる、殺害されるかもしれないが、それを避けるには職務を離れ故郷へ帰ることだ」と告げる。陸建勛はでたらめだと言い八爺の香堂を去る。
紅府を乗っ取った陳皮の元にやって来た裘德考。欲しいものは全て手に入れたと言う陳皮に「まだ復讐を遂げていないだろう」と告げる裘德考だったが、陳皮は「この仇はお前が思っているより重いものだ」と言い返す。
一方、発熱も感染もしていないのに昏睡状態の佛爺を見て、自分が無能だったからだと自らを責める副官。新月はいつ攻めて来られるかも分からない状態で佛爺がこのまま長沙に留まっているのは危険だと、北平へと連絡をし部下を派遣させていた。副官にはもしもの時のために腹心に通知するように告げる。「自分を責めるだろうが、佛爺を救うためにはこうする他ない」と眠る佛爺に語り掛ける新月。
陳皮は兵士を連れ張府へと乗り込んできた。陸長官の命で佛爺を捕まえに来たという陳皮に「夫は薬も効かずもう長くない、復讐を果たしたことになる。それでも強行突入するなら張家と尹家は徹底的にやる」と告げる新月、陳皮は「今日張啟山を殺す」と兵士に命じ邸内を捜索させる。
実はすでに佛爺は新月飯店の部下と莫測によって長沙から離れてる手筈となっていた。