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チャン・イーモウ監督映画「あの子を探して」(一個都不能少)【あらすじ】【ネタバレ】

作品紹介

1999年の映画「あの子を探して」は、施祥生の小説『空に太陽がある(天上有個太陽)』を原作とした作品。監督は、中国映画の巨匠・張芸謀。

作品のテーマは農村の貧困。実は出演者のほとんどが素人で、登場人物の名前は役者の本名が採用されています。素朴でリアリティある作品に仕上がっているのは、役者がほぼ自分自身をそのまま演じているからなんですね。国際的にも好評価を得ていて、1999年のヴェネツィア国際映画祭でグランプリを受賞しています。

ちなみに、原題は「一個都不能少」=1人も欠けてはいけない。高先生の言いつけがタイトルになっています。

基本情報

タイトル:あの子を探して
原題:一個都不能少
英題:Not One Less
監督:張芸謀チャン・イーモウ
出演:魏敏芝、張慧科
中国公開日:1999年9月7日

あらすじ

病気の母親の看病のため休暇を取る高先生の代わりに、13歳の少女・魏敏芝が代理でとして連れてこられた。高先生は、13歳の少女には務まらないだろうと嫌がるが、村長にまた代理を連れ来るのは一苦労だからとりあえずやらせようと説得される。放っておけば、家庭の事情などで生徒たちは学校を辞めてしまうため、高先生は敏芝に1か月の給料50元に加え、一人も生徒を欠けさせなければ追加10元を支払うと言いつける。

翌日から、黒板に写した教科書の文章を生徒たちに書き写させ、自分は生徒たちが勝手に帰らないように教室の扉の前で座っているだけという放ったらかしの授業を始めた敏芝。教室は荒れ、問題児の張慧科が同級生の手紙を盗んだり、教室を抜け出したりと敏芝を困らせるのだった。そんなある日、家の借金を返すため病気の母親の代わりに慧科が街に出稼ぎに行ってしまい学校に来なくなる。敏芝は高先生の言いつけを守るべく街に慧科を探しに行くことにする。

主な登場人物

魏敏芝
13歳の少女。村長によって、高先生の代理として連れてこられる。

張慧科
10歳の少年。学校内の問題児で、敏芝を困らせる。

ざっくりネタバレ

街に出稼ぎに行ってしまった慧科を探しに行くにはバスに乗らねばらない。チケットを買うために、学校の生徒たちといくら必要か計算をする敏芝。生徒たちからなけなしの金銭を集めるが全く足りない。そこで村のレンガを運ぶ手伝いをして金を得ようとする。生徒たちを連れてレンガ運びをするが、勝手な行動だったためにレンガをダメにしてしまい怒られる。しかし、なんとか金を手に入れ、敏芝は慧科を探しに街へと出発する。

お金が足りずバスから降ろされるも、ヒッチハイクをして、なんとか街にたどり着いた敏芝。敏芝が慧科がいるという住所を訪ねると、そこに慧科はいなかった。聞くと駅のトイレで行方をくらまし、そのままだという。敏芝は街のラジオ局で何度かアナウンスを流してもらうが、効果はなかった。街で見かけた人探しのチラシをみた敏芝は、なけなしの金をはたいて墨と筆と紙を買い、駅で何枚もチラシを書いた。しかし、通りがかりの大人はチラシを見て、連絡先もないチラシは意味がない、テレビ局で放送してもらえばいいと言われる。

敏芝はテレビ局に向かうが、門前払いを食らう。敏芝はテレビ局の局長に話をするべく建物から出てくる男性に片っ端から声をかける。そんな敏芝を知った局長は、敏芝をテレビ番組に出演させることにした。敏芝は緊張しながらも、カメラの向こうの慧科に向かって涙ながらに語り掛けた。

街の食堂の近くをうろついていた慧科に食堂のおばちゃんが「これはお前のことじゃないか」とテレビの前に連れてくる。そこに映っていたのは敏芝だった。

敏芝と慧科は、たくさんの文房具とともに村に戻った。テレビを見た都市部の人たちが農村から出てきた2人を見て支援をしたのだった。

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