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張若昀主演ドラマ「驚蟄」【あらすじ】【ネタバレ】

2019年10月22日に中国にて放送が始まったドラマ「諜戦深海之驚蟄」(以下、「驚蟄」)。本作は2016年に放送された李易峰主演の「麻雀」の姉妹編という位置づけの作品。1940年代、日本軍、軍統(国民党)、共産党の陰謀渦巻く中国を舞台にしたシリーズです。

1作目の「麻雀」は、上海を舞台に汪兆銘政権の特務工作機関に潜入する共産党スパイ陳深(李易峰)の活躍を描いた作品。国民党から潜入してきた唐山海(張若昀)と徐碧城(周冬雨)の偽装夫婦、国民党を裏切って日本側についた蘇三省(尹正)など、様々な思惑を秘めた個性的なキャラクターを実力派俳優たちが演じ、緊迫感のあるスパイドラマに仕上がっています。


「驚蟄」の舞台は上海と重慶の2か所。「麻雀」の登場人物が犠牲なった話などが登場するため、時代は「麻雀」とほぼ同時期になります。物語はまず上海から始まりますが、すぐに重慶へと舞台が移ります。

重慶は軍統(国民党)の本拠地。主人公の陳山は、日本軍のスパイに仕立て上げられ、上海の作戦行動中に死亡した軍統幹部・肖正国に成りすまして重慶に潜入します。もちろん、いくら訓練したからと言って所詮は赤の他人ですから、物語の中盤で陳山の身分が明らかになってしまいます。完全に暴露する直前に、陳山は同僚の張離と共に上海へと逃げるのですが、ここからが複雑で、逃亡を軍統幹部の費正鵬に見逃してもらったので、今度は軍等のスパイとして日本軍側に潜入するというダブルスパイになります。

一緒に逃げてきた張離とは日本軍を欺くために偽装結婚するのですが、この張離は共産党から軍統に潜入していたスパイ。陳山もそれに気づいているので、共産党にも加担するような形になり、もはやトリプルスパイ状態。後半部分、上海での日本軍、軍統、共産党の三つ巴がこのドラマ「驚蟄」の大きな見どころとなっています。

主人公・陳山を演じたのは、1作目「麻雀」で唐山海を演じた張若昀。唐山海が犠牲になった話を陳山が語るシーンがあったりするので、「麻雀」を見ているとより一層ドラマを楽しめます。(もちろん単体でも十分面白い。)ほかにも、闞清子など「麻雀」からの続投メンバーも多数います。中でも軍統颶風隊のリーダー陶大春は「麻雀」と全く同じ方が演じているので懐かしい気持ちに…もちろんコードネーム麻雀も登場します。(但し李易峰ではない。残念。)

この手のドラマに抵抗がある方もいるかと思いますが、スパイたちのギリギリの頭脳戦はやっぱり面白いです。前作同様、張若昀くんがかなり良いので、おすすめしておきます。

作品情報

タイトル:諜戦深海之驚蟄
話数:45集
出演者:張若昀、王鴎、孫芸洲、闞清子、王瀧正、于小偉ほか
撮影場所:上海影視楽園、横店
中国放送開始日:2019年10月22日

あらすじ

1941年、上海。情報売買などを生業にチンピラをしていた陳山。ある晩、上海の社交クラブ米高梅に忍び込み捕まった際に、数日前の作戦行動で死んだ軍統の肖正国に外見が酷似していたことから、日本軍尚公館の荒木惟の目に留まる。荒木は、陳山の父や妹を人質に取り、陳山を日本のスパイとして教育する。厳しい訓練の末、陳山は肖正国として重慶軍統に送り込まれる。陳山にはもともと類まれなる記憶力や観察力、洞察力が備わっており、数々の危機をその機転で乗り越えていく。重慶で出会った共産党の張離や、上海で再会した兄などの影響を受け、日本軍、軍統、共産党の三つ巴の中でギリギリの駆け引きを演じていく陳山の活躍を描く。

前半重慶編の人物相関図

主な登場人物

陳山/肖正国:張若昀

もともとは、弟分の宋大皮鞋と菜刀を携え上海をぷらぷらするチンピラだった。しかし、軍統の工作員・肖正国に外見が酷似していたことから、日本の指揮官・荒木惟の目に留まり、利用されることになる。父と妹を人質に取られた陳山は、荒木の下でスパイとしての訓練を受け、肖正国として軍統の本拠地・重慶へ日本のスパイとして潜入することになる。偽物の肖正国とバレた後は上海に戻り、軍統のスパイとして荒木がトップを務める尚公館の工作員として働くようになる。重慶から共に上海に逃げてきた張離と周囲を欺くために夫婦となる。しかしながら張離は実は共産党員であるため、共産党側の動きをするようにもなる。行動を共にし、自身に大きな影響を与えてきた張離を愛するようになるが、彼女の強い信念は陳山を受け入れることはなかったが、陳山を共産党に正式に参加させることにした。荒木とギリギリの騙し合いをしながらなんと生き延びたが、兄も妹も父親も陳山のために犠牲になった。そして、張離も陳山を逃がすために犠牲になるも、彼自身も重傷を負い、もうダメかと思った時、共産党のスパイ麻雀(前作参照)に救われる。その後、延安に向かい余小晩と再会を果たす。物語の最後では、上海に舞い戻り荒木に復讐を果たす。

張離:王鴎

重慶軍統第二処中共科科員だが、実は地下共産党員でスパイとして軍統に潜入していた。陳山は早い段階で張離が軍統でないことを見抜き、彼女が通信機を取引する現場を助けるなどして徐々に信頼を得た。陳山自身も自身が肖正国でないことを明かし、張離と一蓮托生となる。陳山の身分が暴露しそうになると、2人で上海へと逃げ延びる。その後、尚公館の荒木らを欺くために陳山と偽装結婚をする。上海では、地下共産党員として活動をしており、陳山の行動にも影響を与える。実は、陳山の兄・陳河である銭時英とは恋仲で、上海で再会を果たす。陳山を共産党に引き入れ、最期は彼を逃がすために銃で撃たれ犠牲となった。

周海潮:孫芸洲

重慶軍統第二処中共科副科長。とにかく上司にゴマをすりまくるが器が小さいため出世できないでいる。上海での任務中、どさくさに紛れて肖正国を射殺した真犯人。肖正国の妻である余小晩に好意を寄せているが、余小晩からはダンスの相手くらいにしか思われていない。余小晩を手に入れるため、出世のため邪魔な肖正国を上海で射殺。確かに頭を打ちぬいて殺したはずの肖正国が重慶に舞い戻った時、本物ではないことを唯一確実に知っている周海潮は、肖正国の正体を暴くべく彼に付きまとう。肖正国殺害の真犯人と暴露した後は、陳山や余小晩らを追って上海に。余小晩を見つけ彼女に付きまとったり、尚公館の荒木に連絡を取り、陳山らを窮地に追い込もうとする。張離と陳山を追い詰める直前で失敗し、颶風隊に銃撃される。病院に運ばれ一命を取り留めるが、颶風隊により毒殺された。

余小晩:闞清子

肖正国の妻で医師。夜な夜なダンスホールで踊っている。元々肖正国の事は気に入っておらず、重慶に戻ってきた偽肖正国にも冷たい態度だった。共に生活するうちに肖正国が偽物であると気付くか、偽物の肖正国には好意を抱いていたため、彼を守る行動を取るようになる。張離とは姉妹のように仲が良い。肖正国が陳山であると暴露された後は、陳山と張離を追って上海に向かう。当初は2人の行動を理解できずにいたが、自身の父も共産党員だったことを知り、張離らに協力するようになる。一方的に好意を寄せられていた周海潮に付きまとわれるが、拒否し続ける。ある時、周海潮が決定的に張離を追い詰めそうな際に、なんとか危機を陳山に伝え、阻止しようと現場に向かう。その場で撃たれ意識不明の重体となる。その後は、延安に運ばれ治療を受け回復。最終回では、陳山と再会を果たす。

荒木惟:王瀧正

日本尚公館の特務科長。千田という女性の部下とともに行動している。頭脳派で用心深い性格。目的のためには手段を選ばない。上海で陳山に出会い、彼を亡くなった肖正国として軍統に潜入させるべく、スパイの訓練を施す。陳山が逆らわないように、父と妹を人質に取った。誰のことも信用していないので、陳山のことは常に疑っているが、その実力も認めている。陳山の妹・陳夏が盲目にも関わらず、類まれなる洞察力を持っていることに気付き、彼女に目の手術を受けさせ、スパイとして教育した。最期は、亡くなった上官麻田の後任として着任した池田のパーティーでピアノ伴奏をしている際に、陳山が仕掛けた爆弾が爆発し、爆死する。

陳河/銭時英:于小偉

表向きは親日派の薬商人だが、実は地下共産党員で張離の上官(コードネーム・裁縫)。実は、北平に勉学のため言っていた陳山、陳夏の実の兄・陳河。張離とは恋人関係だったが、任務遂行のために、彼女の前から姿を消していた。上海で、張離が上官と接触した際にいたのが銭時英で、2人は再会を果たす。日本軍から奪い取ったペニシリンを守るため、通信機で暗号を発信するしかなく、張離とともに行動する。しかし、その電波を掴んだ日本軍に追われ、張離を助けるために尚公館に自ら連行される。その後、荒木から拷問を受けるも一切口を割らない。陳山らは兄を救い出す計画を立てるが2人の身分が暴露するのを防ぐために拒否。そして、陳金旺、陳山、陳夏ら家族を守るため、最後まで「陳河」と名乗らず、陳山との関係を認めることもなく犠牲となった。

陳夏:羅秋韵

陳山の実の妹。盲目だが、感性が非常に高く、千田が部下を連れて彼女を訪ねた際に、その部下の人数を当てるほど。荒木は陳夏を近くに置き人質とすることで、陳山を利用した。物語の中盤で、荒木により視力回復手術を受ける。尚公館のスパイとして再登場するが、兄・陳山らを見て、荒木に造反。最期は千田に撃たれ犠牲となった。

唐曼晴:王婉娟

上海の社交界に広く顔が利く女性。その地位から、尚公館の荒木もなかなか手出しができない存在だった。最初、米高梅に忍び込んだ陳山を荒木に引き合わせた人物。陳山らが重慶から戻った後に再登場。米高梅で、銭時英らを荒木に紹介した。銭時英のことを気に入っており、尚公館に捕らわれた銭時英を助けようとしたが、無念にも銭時英は銃殺されてしまう。銭時英を守れなかった分、陳山を守り、銭時英や陳山をかくまったとして尚公館に連行され拷問を受ける。それでも一切口を割らず、なぜ何も吐かないのかという荒木に対し「私は中国人だから」と答え、犠牲となった。

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