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失踪の真相は10年前のいじめ…中国ドラマ「刺」【あらすじ】【ネタバレ】

8月に優酷のサスペンスドラマシリーズ「懸疑劇場」として配信されたドラマ「刺」。あるキャリアウーマンが突然失踪するところから物語が始まり、刑事が彼女の人間関係を洗っていくうちに10年前の壮絶ないじめへとたどり着きます。失踪の原因は10年前のいじめにあるのか…

「少年的你」「隠秘的角落」など学校でのいじめがドラマでも取り上げられることが多くなってきた気がしますが、「刺」では今までの作品以上に、かなりリアルにいじめのシーンが描写されています。いじめのシーンもなかなかですが、それだけではなく職場でのパワハラ、ネットやFaxなどでの誹謗中傷など、現代の社会問題となっているあらゆる”暴力”が描かれています。視聴しているとかなり心かきむしられるような苦しさを感じることもあり、出演者たちの迫真の演技に震えます。

本作は、失踪事件が起こった現在進行の時間軸(2019年6月9日~)、事件発生前(2018年~)、高校時代(2008年)の3つの時間軸で進んでいきます。出演者たちは、高校時代から現代までを演じているのですが、制服を着ている姿も社会人として働く姿もどちらも違和感がありません。

主役の韓暁婷を演じた蘇青は、いじめの被害者側の苦悩や複雑な感情を丁寧に演じていました。加害者側の張蓓蕾を演じた施詩はもっとすごかったと思います。張蓓蕾は、父親が金持ちなことをいいことにわがままし放題、なんでも自分の思い通りなると思っていて、とにかくやることなすこと最悪な人物。「刺」を観ると、演技とはいえ施詩のことまで嫌いになりそうです。

サスペンスというよりは、いじめやあらゆる暴力をテーマにした社会派作品です。かなり息が詰まる作品ですが、機会があればぜひご視聴ください。

作品情報

原題:刺
監督:潘戍午
脚本:蘇陽、娄霄鵬
プロデューサー:肖霄、楊燁
出演:蘇青、李感、施詩、包文婧、庄茱淩、袁弘
話数:16話
中国配信日:2020年7月28日(優酷独占配信)

※「あらすじ」以下の人物紹介には詳細なネタバレを記載しています。

あらすじ

刑事・陳茜のもとに、恋人の韓暁婷が失踪したと肖暁が相談にやってくる。陳茜が、失踪した韓暁婷の通話履歴や人間関係を調査していくと、最後の通話履歴に残っていたのは、韓暁婷が務める旅行会社の部下でかつての同級生・劉涛だった。劉涛から韓暁婷が10年前高校時代に壮絶ないじめを受けていたことを知る。そして劉涛は、いじめ事件の加害者である張蓓蕾と柴紫晶が失踪事件に関連しているのではないかと陳茜に告げる。

※この後の人物紹介には詳細なネタバレを記載しています。

主な登場人物

※人物紹介には詳細なネタバレを記載しています。

韓暁婷(蘇青)

10年前、劉涛と同じクラスで隣の席になったことから仲良くなる。頭が良く、良い成績を取っており、英語・数学が得意。父親とふたり暮らし。正義感があり、はっきりと物事も言えるが、自分のせいで周りに迷惑をかけることはできないという責任感が強いタイプ。数学オリンピックの補習メンバーに選ばれ、肖暁と仲良くなったことで張蓓蕾に目を付けられ、いじめを受けるようになる。様々な陰湿ないじめを受けるも、父や先生には迷惑はかけられないと、いじめの事実を言わなかった。
ある時、一番の親友である劉涛が自分へのいじめを見て見ぬふりをしたことを悲しみ、劉涛との関係がこじれる。その後、一度は仲直りするも劉涛がすっかり張蓓蕾の言いなりになっていたり、結局見て見ぬふりをされ、隣の席ながらも会話もしない状況になる。
張蓓蕾と「肖暁に近づかない」と約束したことで、一度はいじめがなくなる。しかし、書き溜めていたネット小説が流行ったことで、張蓓蕾が誹謗中傷にあい、そのことをきっかけに再び過酷ないじめをうけることになる。「転校したい」と父親に相談をし、最初は反対されるも、最後は同意を得られたため、転校の手続きを取る。その帰り、灯台にいたところを張蓓蕾や王海龍に襲われ、監禁・拘束される。王海龍に強姦されそうになったところを暴れて何とか逃げ出し、懸命に逃亡。王海龍に追いつかれそうになるも、父親が現れなんとか救出される。しかし、自分の治療中に父親が心臓発作でこの世を去ったことを告げられ絶望する。

現代では、新世界旅行社で働くバリバリのキャリアウーマン。紹介で面接に来た劉涛と再会するも、彼女に冷たく当たり、パワハラまがいの扱いをする。新しい提携先として、張蓓蕾らとも再び再会してしまう。張蓓蕾と共同で漁村プロジェクトを立ち上げ、送客をするようになり、劉涛をその担当者として任命する。劉涛が張蓓蕾との業務の中でトラブルを抱えていることを知っていたが、傍観していた。しかし、張蓓蕾との会話を録画するなどして、張蓓蕾らが不正を働いている証拠を掴んでいた。
そのことに気づいた張蓓蕾らは、動画を抹消しようと韓暁婷を誘拐したのだった。韓暁婷は、張蓓蕾の不正だけでなく、10年前に起こったある出来事にも気づいており、そのことを通報するように張蓓蕾に助言する。しかし、逆上した張蓓蕾は聞く耳を持たなかった。監禁され続け約24時間が経過したころ、王海龍らが張蓓蕾に金を要求するために監禁現場に現れる。人質として王海龍に連れ去れるが、その車に張蓓蕾も乗り込み、張蓓蕾によって道の途中で車から降ろされ、命は助かった。
一連の事件の終息後、病室にやってきた劉涛から10年前の告白を聞く。しかし、韓暁婷は劉涛が告げ口したことを知っており、もう劉涛のことは許していると告げた。2人は再び友人に戻ることができたのだった。最後は、肖暁とともに両親、そして張蓓蕾の墓参りをしていた。

劉涛(包文婧)

10年前、韓暁婷と同じクラスで隣の席になったことから仲良くなる。絵を描くのが上手で、韓暁婷の似顔絵を描いたりしていた。2人はいつも自転車で一緒に帰り、灯台で話をする親友だった。気弱な性格で、強く反発などはできないタイプ。張蓓蕾らにいじめられそうになっていたところを韓暁婷に助けられたこともある。
ある日、韓暁婷の教科書に張蓓蕾が落書きしていることを知っていながら、韓暁婷に何も伝えなかったことで、韓暁婷との関係がこじれてしまう。その後、一度は仲直りをするものの、劉涛は張蓓蕾に言われるままに嘘の証言を先生にしたり、いじめを見て見ぬふりをしたことで韓暁婷とはほぼ絶縁の状態になってしまう。韓暁婷が転校の手続きをした日、 張蓓蕾や王海龍に囲まれ脅され、韓暁婷が灯台にいることを言ってしまう。

現代では、親族の紹介で新世界旅行社の面接を受け、そこで韓暁婷と再会を果たす。韓暁婷に対して後ろめたい気持ちがあった劉涛は、不採用になるかと思っていたが、彼女の予想に反して採用される。しかし、韓暁婷は別人のようになっており、劉涛に対してパワハラを行う。しかし、試用期間後、劉涛は韓暁婷によって正式に社員として登用された。
新しい業務先として張蓓蕾・柴紫晶と再会し、張蓓蕾らの漁村プロジェクトの担当として新人ながらも抜擢される。しかし、張蓓蕾らの業務は悲惨で、新世界旅行社にクレームが殺到する。そのクレーム処理を張蓓蕾らは劉涛に押し付け、しまいには劉涛を辞職に追い詰めるべく誹謗中傷や尾行などを執拗な嫌がらせを受けることになる。
辞職後、家の部屋の壁に海の絵を描いた。その絵を見たルームメイトが「この絵は、嵐に向かう2人の女の子の勇気を描いている」と言ったことで、韓暁婷に10年前言えなかった全てを打ち明ける決心をし、彼女と翌日会う約束をする。しかし、その翌日韓暁婷と連絡が取れなくなってしまう。
韓暁婷の行方を追って訪ねてきた陳茜らに、張蓓蕾らとの10年前の出来事を話し、張蓓蕾たちが韓暁婷を誘拐したのではないかと告げる。一連の事件が終息し入院している韓暁婷に、10年前灯台にいることを告げ口したのは自分であること、韓暁婷だけが転校することが気に入らず言ってしまったこと、あの時自分が言わなければ、韓暁婷の父親が死ぬことも、誘拐事件もなかったと韓暁婷に泣きながら謝った。韓暁婷は劉涛を許し、2人は再び友人となった。

張蓓蕾(施詩)

10年前のいじめの首謀者。父親が事業をしており金があるのをいいことに、わがままし放題。自分の思い通りにいかないことが気に入らないタイプで、片想いをしていた肖暁が韓暁婷ばかりに構って自分に見向きもしないので、韓暁婷をいじめるようになる。張蓓蕾の父親は再婚しており腹違いの弟がいる。父親は彼女には構わず、継母と異母弟ばかりを溺愛しており、家庭内での不満を学校で発散しているようだった。
韓暁婷へのいじめはどんどんエスカレートしていき、教科書に落書きする、水筒に虫を入れようとする、髪の毛にガムをつける、装飾用のスプレーを吹きかける、韓暁婷が自分を馬鹿にしていると担任に嘘をつき劉涛にも嘘の証言をさせるなど様々ないじめを行う。
「肖暁と距離を置く」と韓暁婷が申し出てきたことで一度はいじめを止めるが、韓暁婷が書いていたネット小説を読んで自分自身がネットで誹謗中傷され、再びいじめはじめる。劉涛も巻き込み、水泳の授業後、水風船を寄ってたかって韓暁婷に投げつけ制服を隠す、自転車のサドルを隠し、取りに来たところを劉涛に暴行させようとするなどさらにエスカレートしていく。
韓暁婷が転校手続きをした日、チンピラの王海龍らを連れて、劉涛から韓暁婷が灯台にいることを聞き出し、暴行しに行く。頭を剃るくらいで勘弁してやろうと思っていた張蓓蕾だったが、王海龍は韓暁婷を強姦しようとし、韓暁婷が暴れて反撃したことで王海龍が逆上してしまう。張蓓蕾は恐ろしくなり逃げ出したが、韓暁婷の父が韓暁婷を助け出した後に、王海龍らに捕まり張蓓蕾が彼らに強姦されてしまう。自宅に戻るも父親に突き放され絶望する。そして、張蓓蕾はその時の動画をネタに王海龍らに脅され、金を要求され続けることになる。

現代では、小さな旅行会社を柴紫晶とともに経営している。新しい提携先として新世界旅行社の韓暁婷・劉涛と再会する。張蓓蕾の漁村と業務提携をし、送客することなり、担当者として劉涛が着任する。
しかし、張蓓蕾らは客に効果のない美容品を売りつけたり、ホテルの予約を取れていなかったり、含まれているはずのサービスを提供しなかったりと、新世界旅行社にクレームが殺到する。劉涛にクレーム処理をさせ、しまいには、劉涛を担当から外すべく誹謗中傷や尾行を始める。そして、ある日韓暁婷が張蓓蕾との会話を録画していることを知り、韓暁婷を拉致監禁する。しかし、動画はスマホやPCだけでなく、クラウド上にも保存されいた。そして、韓暁婷から10年前に王海龍から受けた恥辱を通報するようにと言われる。逆上した張蓓蕾は、韓暁婷を部下の男2人に見張らせることにした。
しかし、監禁現場に王海龍らが現れ張蓓蕾も拘束されてしまう。王海龍は張蓓蕾に1000万元を要求し、韓暁婷を人質として連れて行こうとし、張蓓蕾は彼らを追いかけ行動を共にする。移動の途中、張蓓蕾は韓暁婷に「悪かったね」と告げて車から降ろし、自身は王海龍を乗せたまま車で海に突っ込み自殺してしまったのだった。

柴紫晶(庄茱淩)

張蓓蕾の腰巾着。高校時代から張蓓蕾と行動を共にしており、一緒になって韓暁婷や劉涛に執拗な嫌がらせをしていた。父親が家庭内暴力を振るっており、柴紫晶も殴られることがあり、その不満をいじめで解消していた。

現代でも、張蓓蕾の旅行会社を手伝っており、腰巾着のまま。韓暁婷に近づく張蓓蕾に対して、「自分たちは韓暁婷の仇であることを忘れない方がいい」と幾度となく助言していた。

肖暁(李感)

高校時代は常に成績トップの優等生。数学オリンピックの補習メンバーに韓暁婷ととも選ばれたことから韓暁婷と仲を深めていき、韓暁婷に恋心を抱いていた。しかし、肖暁に見向きもされない張蓓蕾が韓暁婷に嫉妬しいじめが始まってしまう。当初は韓暁婷も気にしていなかったが、いじめがエスカレートするにつれ、肖暁は韓暁婷に距離を置かれてしまう。ある日、学校の駐車場で殴られそうになっている韓暁婷を助けた際、張蓓蕾を突き飛ばしてしまう。その事件をきっかけに転校させられてしまい、母親によって韓暁婷のQQのアカウントもブロックさせられてしまう。

現代では、海外から帰国後、大学講師としていじめなどの問題を学生に教えている。韓暁婷への想いを忘れられず、張蓓蕾主催の同窓会で再会してから、直接韓暁婷を訪ね、交際を申し込む。一度は交際までこぎつけるも、韓暁婷から距離を置こうと言われてしまう。その後、突然失踪した韓暁婷を心配して警察に相談、陳茜の調査に協力する。

陳茜(袁弘)

名前の読みは、chenqianではなくchenxi。
肖暁の相談を受け、韓暁婷の失踪事件を調べ始める。当初は当初は、韓暁婷と最後に通話した劉涛を疑っていたが、劉涛から10年前のいじめや張蓓蕾らが関連があるのではないかと聞き、関係者への聞き込みを進める。

陳茜という名前は一般的には女性の名前。彼は男女の双子(龍鳳胎※)として生まれる予定で、女の子には陳茜、男の子には陳健と名づけられるはずだった。しかし、分娩時女の子はへその緒が絡まり生まれてくることができなかった。妹がいたということを忘れないために陳茜という名が彼につけられた。実は、陳茜自身も幼少期にその女性のような名前が原因でいじめを受けていた。そのため、韓暁婷の心情を理解できると劉涛に明かしていた。

※龍鳳胎:中華圏では男女の双子は龍鳳胎(龍は皇帝、鳳凰は皇后)と称えられる。

韓建設(范明)

韓暁婷の父。タクシー運転手の仕事をしている。妻を病気で亡くし、娘・暁婷とふたり暮らし。娘のことをとても大事に思っており、大切に育ててきた。暁婷が学校でいじめを受けていることを知らず、暁婷を疑うこともあったが、基本的には暁婷のことを信頼している。転校したいという暁婷に最初は反対していたが、娘の切なる願いを受け入れ転校に同意する。転校の手続きが終わった当日の夜は娘の帰りを待っていた。その時、劉涛からの電話を受け、娘を救うべく現場に駆け付け、王海龍の頭を殴り気絶させ、暁婷を病院へと連れていく。しかし、暁婷の治療中に心臓発作を起こし、帰らぬ人となってしまう。

尚老師

高校の英語教師。韓暁婷がいじめを受けていることに早くから気づき、韓暁婷の相談に乗ろうとしていた。韓暁婷のクラスの担任である固老師にも、韓暁婷がいじめを受けているのではないかと提言をしていたが、考えすぎだとあしらわれた。ある日、学校をさぼった韓暁婷と街で偶然会い話をし、翌週月曜日の英語の授業で会おうと約束をするも、その日に自殺してしまう。校内の噂ではうつ病を患っていたという。

謎の庭師

韓暁婷が何でも話せる女性として登場。いつも美しい花が育てられた庭で韓暁婷と彼女の悩みや日常生活などの話をしていた。一連の事件が解決した後、韓暁婷は彼女に別れを告げた。最後の最後で、この庭師が韓暁婷の母であることが判明する。

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