愛奇芸のサスペンスドラマシリーズ「迷霧劇場」の作品である「非常目撃」。
他の作品が、東野圭吾原作であったり(十日遊戯)、社会現象になったり(隠秘的角落)して少し目立たないな、なんて思っていたら、超弩級の沈黙的真実が来てしまい、すっかり視聴が停まってしまっていた本作…冬休みを迎えようやくの完走です。
うーむ、面白くないわけではないのだけど、ちょっと犯人の動機が分かりづらかったかなぁという感想です。個人的には映画八佰でも活躍した李九霄が良かったので、彼が退場してしまった後はつい優先度が下降してしまいました…。
本作は、犯人がけっこうヤバめな感じなので、それに耐えられるかも視聴の進行度合いに影響してくるかな…とは言え、このシリーズの特徴である短い話数12話で完結しますので、サクッと観るには良いかと思います!しつこいですが、李九霄が良いです。
目次
作品情報
原題:非常目撃
監督:楊苗
出演:宋洋、袁文康、尤靖茹、焦剛、李九霄ほか
中国配信開始日:2020年8月18日(愛奇芸独占配信)
あらすじ
巫江県で女性の遺体遺棄事件が発生する。その手口は20年前の”小白鴿”事件と全く同じものだった。市局刑事の山峰が巫江県公安局に派遣されてくる。実は、山峰は幼い頃”小白鴿”事件を目撃していたのだった。
主な登場人物
山峰(宋洋)
市局警察の隊長。小白鴿事件の調査で巫江県に派遣されてきた。
江流(袁文康)
巫江県警察隊長。ベテラン刑事葉永年の唯一の弟子。
葉小禾(尤靖茹)
県の劇団員で、バーで歌い手もしている女性。
謝希偉(焦剛)
巫江県で老家麺館という食堂を営んでいる男性。山峰は定期的にこの店に通っている。行方不明になったという娘謝甜甜の身を案じている。
周宇(李九霄)
町医者をしている若い男性。ホテルを経営する周勝は実の兄。葉小禾と交際していて、何よりも彼女を大事に思っている。長年心に秘めてきた秘密で苦しんできた。
ネタバレ
秦菲殺害遺棄事件
ある雨の日、巫江夔山の森の中で女性の遺体が発見される。事件は、20年前小白鴿(本名白歌)という少女が殺害された際の様子と酷似しており、市警隊隊長の山峰が現地警察の江流らと合流し事件を捜査するようになる。山峰は巫江の出身で、幼少期、小白鴿の事件当日に彼女の後をつけていたことで殺人犯だというデマを流されたという過去があった。被害者の夫李鋭によると秦菲はうつ病を患っており、その原因は小白鴿の死と関係があるという。
山峰は、巫江大飯店の経営者である周勝の弟周宇の恋人である葉小禾に聴取を行う。葉小禾は山峰を覚えており、当時、秦菲・白歌・李鋭の3人は一方的な片想いの関係にあり、秦菲が嘘をついたことで白歌が事件に巻き込まれたということで、李鋭からモラハラ的な態度をとられていた。そして李鋭は消息を絶つ。警察は李鋭を犯人と断定し行方を追い、自殺しようとするところを逮捕、李鋭は罪を認めたのであった。
小白鴿殺害遺棄事件
秦菲の事件は解決したものの、小白鴿事件は依然解決しないまま。山峰は白歌の父白衛軍から沙海洲が疑わしいと聞くが、沙海洲は石磊によって殺害されてしまう。
葉小禾は周宇が白歌の墓の隣に墓地を購入していることに気付く。そして周宇は「白歌は自分のせいで死んだ」と告白するのだった。そして、捜査から周勝と周宇への嫌疑が濃厚となる。周宇を守ろうとする周勝は、邪魔な葉小禾を周宇の手で殺害させようと二人を拉致する。葉小禾は殺される覚悟を決めるが、その場に白衛軍が乱入、混乱の中周宇は弾丸を受け死亡してしまう。
白衛軍は周勝家に乗り込むも捕まり、爆破される巫江大飯店に拉致される。その際周勝は、当時周勝と周宇が巫江大飯店の建設現場で白歌が筏に乗せられ遺棄されているところを発見し、工事への影響を危惧した周勝が山中の遺棄現場に白歌を移動させたこと、そしてその際目を覚ました白歌に顔を見られたため殺害したことを告白する。周勝が小白鴿事件に関係していると確信した石磊は周勝を殺そうとする。しかし、追ってきた山峰に妨害され、周勝は逮捕、石磊は逃亡してしまう。
実は連続殺人事件
葉小禾はかつて警察だった父葉永年の捜査資料を発見し、白歌の他にも筏に乗せられ遺体が遺棄されるという事件があることを知り、連続殺人事件であることを疑う。被害者は呉翠蘭、その娘を訪ねると兄の名前は石磊と発覚する。石磊は事件当時呉翠蘭と一緒にホテルに宿泊した張漢東という男を追っており、山峰らも張漢東を捜査する。さらに警察は斉飛、張勇という被害者の事件も筏に遺棄されていたことを突き止める。
石磊が張漢等を発見し、殺害しようとしたところで警察が到着、張漢東は逮捕されるが、石磊はまたもや逃亡する。張漢東は殺人容疑を否認するが、以前身分証をなくしていた。事件当時にはすでに足を悪くしていたため犯人ではないことが断定される。
謝甜甜失踪事件
老家麺館の店主謝希偉の娘謝甜甜は以前行方不明。謝希偉は娘の夫である趙杰を疑い、趙杰を監禁し拷問を加えていた。張漢東を釈放した直後、川辺で謝甜甜の遺体が発見される。その様子は連続筏事件と同様だったが、過去の事件と異なり、遺体に冷凍された痕跡があった。山峰らは趙杰の家の様子から、趙杰が謝甜甜を殺害、その後冷凍庫で遺体を冷凍したと推測する。
行方不明になっていた趙杰は、石磊によって監禁場所から救出され、老家麺館の前で警察に発見される。病院に搬送され目覚めた後、謝甜甜殺害を認める。
真犯人
山峰は、張漢東と謝希偉は知り合いで、謝希偉が一連の殺人事件に関与しているとにらむ。張漢東は山峰に、かつて自分が起こした交通事故の被害者が謝希偉で、身分証も謝希偉に盗まれ、家族に危害を加えると脅されていたことを白状する。
謝希偉は山峰同様、養子として生きてきた。自分の本来の家族を美化しており、想像の中の家族を殺害しているのだと山峰は推測する。そして最後のターゲットは謝希偉が弟と思い込んでいる山峰だった。謝希偉は、江流家族を人質に山峰と河上で対峙する。二人は河に落ちるも見つかったのは山峰だけだった。
逃亡した謝希偉は実の家族の元に向かい、遊園地に向かう一家を尾行する。謝希偉は赤ちゃんに弟を投影しており、でんでん太鼓を赤ちゃんに渡そうとした瞬間、石磊に射殺される。石磊は銃を放棄し、ついに逮捕された。