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クールな女性刑事が活躍するサスペンスドラマ「迷霧追踪」【あらすじ】【ネタバレ】

「迷霧追踪」は優酷で独占配信されたサスペンスドラマ。蒋勤勤と周游演じる警察官を中心に、臨川で起きる事件を解決していくという刑事ものです。蒋勤勤演じる林雨虹は捜査チームのリーダーで、クールな性格ながらも熱い信念を秘めた女性。周游演じる趙偉は、そんな林雨虹をサポートする相棒的ポジション。恋愛要素はなく、シリアスな展開が続いていくので、個人的には見応えがあり好きなドラマでした。

内容は大きく分けて12話ずつ2つの事件に分かれています。後半の事件は、捜査を進めていくうちに林雨虹の父親の死の真相が明らかになっていく…。前半のとあるシーンで、主人公の刑事林虹雨が「警察に必要なのは正誤ではなく真実」と言う場面があるのですが、最終回の1番最後はそれが本当に正しかったのかを問いかける内容になっています。

後半の事件が複雑で、犯人が最後まで抵抗した動機は「小さな子どもに自分のようになってほしくない」というものでした。しかし、事件は解決したものの、犯人が考えていたように結局は何も変わらなかったわけです。ここではネタバレしないので、なんだそれと言う文章になっているかと思うのですが、考えさせられるラストシーンで個人的にはいい作品だと思いました。

そしてこのドラマのメインでもある後半の事件のキーパーソンを演じた董暢が非常に良かったです。複雑な事情を抱えた役どころなのですが、とても繊細かつ大胆に演じてもう最後の方とか凄いんですよ。このパートでのネタバレ回避のために語彙力がアレですが…

池松壮亮くんや菅田将暉くんのような、振り切った演技が個人的には好みです。

当然ですけれど簡単には真犯人にたどり着かず、いくつもの展開を経て事件が解決されていきます。それでも割とサクサク進みますし、展開もくどくないので、24話飽きずに完走できました。刑事ものがお好きな方は楽しめるのではないかと思います!

作品情報

原題:迷霧追踪
英題:THE Burning River
監督:余慶
脚本:余慶
出演:蒋勤勤、周游、謝宏涛、董暢、張何昊臻、許瀟晗ほか
話数:24話
中国配信開始日:2020年12月11日(優酷独占配信)

あらすじ

西南のとある街臨川で起こった2つの事件。女性刑事の林雨虹らが捜査を進めていくうち、事件に秘められた真実が明らかになる。手掛かりを追えば追うほど、簡単に見えた事件は複雑さを増していく…。事件の真犯人はいったい誰なのか、その目的は何なのか、警察の正義とは何なのか。

主な登場人物

林雨虹(蒋勤勤)

捜査班のリーダーを務める女性刑事。元夫魏立君との間に子豪という息子がおり、魏立君が息子を連れて上海に行くことに反対している。とある事件で父親を亡くしており、その時のトラウマで暗所恐怖症。一見クールだが、事件を解決するためには自らの危険も厭わない情熱的な一面を秘めている。

趙偉(周游)

一度捜査班から外された林雨虹の代わりのやってきた警察官。その後捜査班に戻った林雨虹の相棒として捜査を続ける。過去の事件で同僚に怪我を負わせたために、臨川の警察署にやってくる。飄々として見えるが、周りへの気遣いを絶やさない。

ネタバレ

アイドル選抜番組参加女性連続殺人事件

ある晩、ネット配車上で李佳佳という女性が拉致される事件が発生する。刑事の林雨虹と趙偉らは容疑者と思しき運転手張長松を追う。しかし、捜査の甲斐なく李佳佳は変わり果てた姿で遺体となり発見される。さらには容疑者張長松も首を切られて死亡する。林雨虹は、張長松の車のシートに異変を感じ、真犯人が別にいると気付く。

李佳佳について捜査を進めると、10年前にとあるアイドルオーディション番組に参加していたことが分かり、その際に撮られた集合写真には張長松も写り込んでいた。その写真に写っている人物を調べると、そのうち2人が5年前に殺害された李子欣と3年前に家出してから行方不明の周灿だと発覚する。そして、写真のうちの1人胡怡婷が裸写真が出回ってしまったことで自殺し、番組自体も中止されていた事実にたどり着く。そして、写真の最後の1人李思琪だけが生きていることを突き止めるが、彼女は何も知らないと黙秘する。

警察は胡怡婷の母呉小梅の取り調べを行い、胡怡婷が実は彼女の娘ではなく、彼女の死んだ兄の娘であることを知る。そして、死んだはずの兄呉念生が事件の犯人であることを突き止める。呉念生がアジトにしていた山上の小屋に行くと、行方不明になっていた周灿の遺体が発見された。
オーディション最終メンバーとして残っていた5人。胡怡婷が優勝することを阻止するために李佳佳と周灿らは、胡怡婷の裸写真を撮影して彼女にリタイアを迫ろうとしていた。 胡怡婷に薬を盛り、写真を撮影しようとしていた時、超長松が突然現れ、薬で身動きが取れない胡怡婷はそのまま強姦されてしまったのだった。

呉念生は李思琪のもとにも現れていたが、彼女の出産したいという願いを聞き入れ、生かしていたのだった。趙偉は、林雨虹の元夫魏立君を襲撃すると見せかけて警察の目を逸らし、本当の目的は出産を終えた李思琪であることに気付き、彼女を追って山小屋へ急行するも、そこに呉念生の姿はなかった。呉念生は、隠れ家にしていた部屋で病気が悪化し、遺体となって発見されたのだった。

男児誘拐事件

呉念生の事件解決から数ヶ月後、孫の楊陽が何者かに誘拐され身代金30万元を要求されているという通報が入る。犯人は楊陽の母親任静に廟会での身代金引き渡しを命じるが、その場に警察が来ていることが犯人にバレてしまい取引は失敗に終わる。その場に残っていた血痕から賀文俊が誘拐犯として特定されるが、賀文俊は丸焦げのワゴン車の中から焼死体で発見されるのだった。

雲南から臨川に戻ってきたばかりだという賀文俊の足取りを追うと、姚軍という男が浮上する。姚軍の部屋から採取したDNAを調べると、それは林雨虹とその父親が貴州で巻き込まれた車両盗難事件の容疑者ののひとりのDNAと一致した。そして、賀文俊と姚軍の職業学校の同級生に、誘拐された楊陽の従兄袁暁東がおり、3人の事件関与が発覚する。

袁暁東を調べると、中学時代に恋人関係だったという看護師梁静秋にたどり着く。袁暁東は梁静秋にUSBを託しており、保存されていた映像の中で、楊陽が誘拐された時発熱しており、その状態で睡眠薬を大量に飲まされた為容体が悪化、病院に連れて行こうとしたところで賀文俊と揉みあいになり、賀文俊を射殺してしまったことを自白していた。そして楊陽の遺体をよく釣りをしていた川辺で燃やしたという。

一方、逃亡していた姚軍は自身がいた孤児院の院長が自殺未遂で搬送されたという知らせを聞き、病院に現れたところを逮捕される。姚軍は取り調べで、5年前の貴州での車両盗難事件について、林雨虹と父親を轢いた後に父親の遺体を埋めたと証言するが、姚軍が示した場所からは遺体は発見されなかった。そして趙偉は、袁暁東がずっと林雨虹の近くに住んでいたことに気づく。

さらに調査を進めると、身代金取引の当日に袁暁東は臨川におらず、現場にいたのが梁静秋だったことが判明する。梁静秋は、楊陽が生きており、袁暁東が車で楊陽を臨川から合江に連れ出したことを自白する。取調べを進めると、袁暁東は優等生だったにも関わらず高校時代にいじめを受けたとこをきっかけに薬物に手を染めるに至ったことが分かる。当時、袁暁東の両親は出稼ぎに出ており袁暁東のそばにはいなかった。袁暁東は、同じく両親がそばにいない楊陽には自分のようになってほしくないという一心で知り合いのつてで合肥の子どもを持たない夫婦に楊陽を託したのだった。

林雨虹は楊陽生存のニュースをマスコミに流し袁暁東に揺さぶりをかける。すると、楊陽の母任静の元に袁暁東から電話があり、会いに行った任静は行方不明となる。そして袁暁東は、林雨虹に父親の遺体の埋葬場所と5年前の真実を教える代わりに楊陽死亡を発表するように単独での取引を持ちかけるが、その場に趙偉らがいたことがバレて袁暁東は逃亡する。

行方をくらました袁暁東は、林雨虹が自宅に戻ったところを襲撃し拉致する。林雨虹と任静を人質に立て篭もった袁暁東だったが、拳銃で自殺を図り救急搬送される。病院で目を醒ました袁暁東は、林雨虹に5年前の真実を語る。5年前、元々3人は車両盗難をするつもりはなかったが、袁暁東の薬物中毒が激しく、賀文俊と姚軍を巻き込み車両盗難に及んだ。そこに現れた林雨虹とその父親を轢いてしまった3人は2人を遺棄しようとするが、林雨虹は生きており、賀文俊が林雨虹を見初め連れて行くことになる。父親だけを埋めることにしたが、袁暁東は父親も実は生きていることに気付き、埋める際に空気穴を作っておいた。翌日遺棄現場に戻ってきた袁暁東は虫の息の父親を助け病院に連れて行こうとするが、父親の「娘を助けてほしい」という願いを聞き入れ、林雨虹を救出したのだった。父親の埋葬場所を伝え、袁暁東は息を引き取った。そして、袁暁東の通話履歴から楽山で楊陽が保護され、事件は解決した。

事件後、林雨虹は長期休暇を取得し上海にいる子どもに会いに行こうとしていた。林雨虹は、家族の元に戻った楊陽を訪ねると、母親の任静は再び深圳に戻ったという。ひとりポツンとテレビを見る楊陽を見た林雨虹は、袁暁東が言っていたように楊陽が袁暁東のようになってしまうのではないか、警察に必要なのは正誤でなく真実だという考えが果たして正しかったのか、と目に涙を浮かべるのだった。

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