「革命者」は、中国共産党建党100周年を記念して制作された映画です。別記事でも触れたような気がしますが、2021年は共産党メモリアルイヤーということで、共産党に関わるいわゆる“主旋律”作品が多く制作されています。「革命者」は建党記念日である7月1日に中国で公開され、同時期に「1921」という近代革命映画も公開されています。どちらも豪華出演者で気合の入った作品に仕上がっていますが、評価としては「革命者」の方が高い様子。
「革命者」で主演を務めたのはベテラン俳優張頌文。最近ですと、社会現象を巻き起こしたドラマ「隠秘的角落(バッド・キッズ)」で主人公の少年朱朝陽の父親役を演じたのが印象的でしたね。嫉妬がやばい後妻がいながら、最後息子を守ろうとした姿が劇的でしたよね〜。他にも様々な作品に出演しており、名匠娄燁(ロウ・イエ)監督作品にも出演する実力派であります。意外なことに張頌文、主演映画は本作が初めてとのこと。色々な作品で見かけるのですが、確かに名脇役というイメージでした。
そんな張頌文が演じたのは、中国共産党設立の主要メンバーの1人である李大釗。日本の学校で学ぶ世界史では、あまり触れられない人物ですよね。私も恥ずかしながらこの映画で初めて詳細を知りました。その他の「革命者」の登場人物は、日本の世界史の教科書に必ず載っている人物ばかりです。もっと東アジア近現代史を勉強しなければと痛感…まずは2021年前半に放送されていた「覚醒年代」でも観て勉強してみようかと思ってみたりしています。
李大釗は早稲田大学に留学し、日本でマルクス主義を学んだと言われています。日本で学んだ思想などを持ち帰り、帰国後、北京大学の教授となった人物です。そして中国共産党の礎を築いたのですが、1921年4月、張作霖によって逮捕され絞首刑に処されます。「革命者」では、そんな李大钊の処刑38時間前からの姿と、彼が革命に捧げた波乱万丈の人生が回想ととして描かれています。随所に回想パートが入りますが、時間軸はバラバラなので、そもそも李大釗がいつ何をしてきたか、その周辺の人間関係をある程度把握してから鑑賞するのが良いと思いました。(その点、私は明らかに知識不足でした。)
とにかく張頌文は圧巻です。とにかく観て欲しい…張頌文に興味がなくても、かなり豪華な面々が出演していますので、彼ら目当てでも良いんです。脇を固めるみなさんの中では、彭昱暢(贔屓)の張学良と、韓庚の蒋介石が印象的でした。特に蒋介石の方はゾワっとしました。なんというか、腹黒い蒋介石のおぞましさみたいなものがすごく出ていて、ハン様素晴らしかった。あとは個人的推し俳優の李九霄、是非注目していただけたらと!
作品情報
原題:革命者
英題:The Pioneer
監制:管虎
監督:徐展雄
脚本:管虎、呉兵、張珂、京瑜
出演:張頌文、李易峰、佟麗婭、彭昱暢、辛雲来、孫浠倫ほか
上映時間:121分
中国公開日:2021年7月1日
あらすじ
1927年4月6日、李大釗は北京にて奉天派張作霖によって逮捕された。同時に捕らえられたのは李大釗の妻子と19人の革命志士。そしてそのわずか1週間後、蒋介石は上海クーデターを起こし中国共産党を弾圧した。革命は失敗に終わり、1927年4月は中国革命において暗黒期となった。そんな李大釗が処刑されまでの38時間前と、彼の歩んだ波乱万丈の革命人生が回想とともに描かれる。
主要出演者
領銜主演
李大釗(張頌文)
毛沢東(李易峰)
趙紉蘭(佟麗婭)
特別出演
張作霖(成泰燊)
張学良(彭昱暢)
慶子(李九霄)
蔣介石(韓庚)
宋慶齢(梁静)
孫中山(馬少驊)
徐三(白客)
陳独秀(秦昊)
呉育文(于謙)
出演
徐阿晨(孫浠倫)
李星華(章若楠)
鄧中夏(辛雲来)
高君宇(朱梓瑜)
羅章龍(張承)
進歩女学生(周楊洋)
友情出演
張作霖副官(張雲龍)
谷守柱(魯諾)
小竇(秦俊傑)
張師傅(沙寶亮)
陳秀娟(宋茜)
方会長(景崗山)
長衫者(俞灝明)
宋教仁(小愛)
川菜館警官(海一天)
川菜館食客父親(梁超)
川菜館食客母親(代楽楽)
張麗麗(闞清子)
小周(高至霆)
盧明(釋小龍)
豁牙老太太(葦青)
少年李大釗(韓昊霖)
※本記事はネタバレなしです。(歴史上の人物ですし、ネタバレも何もない…)