元交際相手との騒動から約2か月、28日に沈黙を守り続けてきた薛之謙がついにメディアの前に現れ、テンセントの独占インタビューに応えた。今回は騒動後、初のインタビューとなる。
久しくカメラの前に立っていなかったであろう薛之謙は自信がなさそうな様子で、インタビュー前には心配そうな様子で衣装を整え、「最近太ってだらしないな」とつぶやいていた。実際、ここ2か月ほど薛之謙は人生で最も暗い、暗黒の日々を過ごしていた。9月8日までは、彼はバラエティでブレイクし、非凡な人気を誇る歌手であり、番組に出演しすぎて疲れ果てたスターだった。しかしながら、前妻・高磊鑫との復縁を公開する微博の投稿は、彼の元交際相手を激怒させ、元交際相手は交際当時の薛之謙とのスキャンダラスな事情を徹底的に暴露し、彼のイメージは地に落ち、広告解約だけでなく、出演番組も放送停止に追いやられた。
一歩ずつ頂上へと登りつめたが、突然谷底に落とされた薛之謙。今後は、音楽を自身の最も重要な事業として位置づけ、かつて自身をブレイクさせたバラエティ番組への出演は完全に放棄できると言った。
20分のインタビューの中で、スタッフが事前に感情的な質問についてはふるいにかけており、薛之謙が話したのは主に音楽についてだった。インタビューで聞くことはできなかったが、苦しみに溢れた新アルバム「渡」は却って彼のここ最近の人生の悟りを体現しているようだった。彼は、本当に自分の”血”で書いた、と冗談でをこぼした。
騰訊娯楽(以下、TE): 今回のアルバムの名前は「渡」ですが、この曲を通してどのような心情を表現したかったのでしょうか、何か特別な意味を含んでいますか?
薛之謙: 「渡」は船に乗るのが好きだからですよ、船に乗るのは心地が良い、冗談です。渡の意味は渡人渡己、人を助ければ自分のためにもなる、一方の岸からもう一方の岸に渡るように、生活の方法を変えるような感じです。
TE:ご自身もそのような生活方式に変えたのですか?
薛之謙:いえ、実はこの曲は半年前にすでに書き終えていて、外国の雰囲気ある音楽だったんです。聴いた時とても素晴らしいと思ったので、すぐに自分で歌詞を書いて、じっくり制作してきました。”渡”という字には、様々な想像をする空間があります。相対的に鬱々としたものがありますが、暗黒とまではいかない。例えば、太陽の光があっても、自分は暗いところにいるけど、太陽の光は見える、そんな感覚の曲です。
TE:このアルバム全体が鬱々とした雰囲気があると思いました、今日の会見のテーマ色もモノクロでした。
薛之謙:モノクロが好きなんです、自分の内心は何か書くと重くなりがちで、開放的なものではないんです。
TE:ご自身は元々ジョークが好きな方ですが、なぜ悲しいバラードをこれほど書かれるのでしょうか?どこでインスピレーションを感じるのでしょうか?
薛之謙:そうです、僕自身は明るい人です、他の人を楽しませたいと思っています。けれど、歌の中で人の心を打つものは情景が浮かぶものです。僕は歌を書き始めた頃からこれまで一曲も明るい歌は書いていません。唯一明るい曲は「my show」ですね、あの時は若かったんです。歌を書くことは生活にその根源があると思います。
TE:そういう悲しい時があるのですか?悲しい気持ちに陥ることがあるのですか?
薛之謙:ありますよ、僕は悲しいバラードを書く人ですから、自分自身を同じような立場に置いてこそ、真実味のあるものが欠けるんです。
TE:創作者にとって、どの創作も自身を出し尽くすものだと思います、苦痛だと思いますか?
薛之謙:出し尽くして、毎回全力をかけて空っぽにして、その後、今度は焦りに陥ります。音楽は誠実なものです。どの曲も、どうしたらどれだけ聴いても飽きないか、深く深く研究します。実際それはもっとも難しいことです。なので、音楽については、本当に全てを出し切って作っています。
TE:新アルバムの収録曲はいつ書いたものですか?
薛之謙:基本的には時間を絞り出して作っています。例えば、「動物世界」や「我害怕」などの曲は、3時間休憩して曲を書いて、飛行機の上でも書いて、と時間を捻出してできたものです。最近は、重点を音楽に置くようにしたので、多くの時間を創作に使うようにしています。心を落ち着けて書くことができます。
TE:曲を書く時、普段仕事と休憩はどのようにしていますか?
薛之謙:以前は基本的に2~3時まで書いたり、遅い時は6~7時まで書いていました。今は更に伸びて昼の11時まで書いて、昼夜逆転しています。今日はこんなもんか、よく書けたと思ったら止めます。なので、うまく書けない時は自分を解放できないんです。
TE:今回プロデューサーと協力した経験を話してもらえませんか?趙英俊は古い知り合いですよね。
薛之謙:英俊は長く一緒に仕事をしてきましたし、郭頂もそうです。鄭偉は僕の
基本的にはこのグループから出ていません。このグループから出ても小さなチャレンジ的コラボです。音楽面では、僕かなりわがままで厳しいので。他の人と一緒に相談しながら進めている時も、かなり主観的にやっていると思います。皆慣れたら分かってくれるので、一部のプロデューサーは僕に譲ってくれます。
TE:プロデューサーたちをどうやって”痛めつける”のですか?
薛之謙:2,3日は寝れないでしょうね、それくらいです。編曲を5,6回して、マスターテープも3,4回作って、コーラスも3,4回して、そんな感じです。
TE:今回のアルバムの中で、最も手直しが多かった、制作過程が最も難しかった曲はどれですか?
薛之謙:今回のアルバムの中で、一番歌詞を直したのは「高尚」でしょう。「高尚」は僕の血を以って書きました。本当に一度の勝負に全てをかける勢いで一文字一文字刻みました、どれくらいの時間がかかったか覚えていません。特別長かったんです。けれど、あの歌詞には割と満足しています。今回のアルバムの中で割と満足しているのは「動物世界」と「高尚」が相対的に比べると満足しています、もう少し本心を言うと「像風一様」もそうかもしれません。
TE:「高尚」の中の歌詞がお気に入りですか?
薛之謙:「狼藏起反犬旁,像从了良,张牙舞爪的人在撒谎,愿形容我的词别太荒唐」の部分です。実は人生の虚しさを表現しているんです。当時はかなりイケてると思いました。
TE:では今回のアルバムの中で、ご自身の現在の心境と合っているのはどの曲だと思いますか?
薛之謙:全部だと思います。けれど、これらの曲は上半期に書いたもので、僕が歌を書くのはだいたいこんな調子であまりポジティブではありません。「動物世界」も含めてポジティブではないです。「別」もポジティブではないですが、癒しがあります。何故か?本当にプレッシャーで押しつぶされそうな時、僕の歌を聴いたら泣いてしまうかもしれないし、辛く悲しく感じるかもしれない。けれど、そんな感情が涙となって出て、出し切ってしまえばいいんです。僕の歌は人を死に追いやろうとしているのではありません。つらいと思った時、飛び降りよう、一緒に飛ぼうという感覚ではなく、歩みださせるものなんです。
TE:では苦しいバラードを聴くと癒されるのですか?
薛之謙:はい、以前そういうバラードを聴いた時、小学校4,5年生の頃「夢醒了」という曲を聴いた時、とても良いと思いました。癒される感じがしました。あんなに小さいことから癒しを感じていたんです。
TE:これからの計画についてお聞かせ願えますか。来年はバラエティやリアルショーに出演する予定はありますか?
薛之謙:それはだんだん減らしていって、音楽にもっと時間を割くようにします。自分に歌手というラベルとゆっくりと貼りたいと思っています。いい作品を携えて話をすれば、来年コンサートができるかもしれないし、CDを作ることがメインになるかもしれない。来年はもう1枚アルバムを出すつもりです。1年1枚は逃れられません、もし順調であれば、1年に1枚半くらい作れるでしょうが、それも極限ですね。
TE:けれど、皆あなたのバラエティ番組も好きでしたよ。
薛之謙:みんな僕のバラエティ本当に見たいと思いますか?うるさすぎると思わないですか?
TE:バラエティの舞台から去るのは残念だと思いますか、それとも離れがたい?
薛之謙:バラエティやお笑い番組は、捨てろと言われればいつでも切れます。
TE:では、以前はなぜあれほど活動的だったのでしょうか?
薛之謙:僕がつまらなかったからでしょう、僕自身は笑いが好きで、皆を楽しませたいと思っています。けれど、それが歌を歌うことに影響を及ぼすのであれば、僕は一切の躊躇なく切り捨てて、音楽を作ります。
TE:最近、微博のスタイルも変わりましたね、文章がなくなりました。
薛之謙:最近は書いていませんね、音楽に精一杯ですから。もう少し経ったからまた書くかもしれません。文章も4,5年書きましたから、ちょっとやめたら慣れませんね。
TE:今音楽を作ることはご自身にとってどのような意味がありますか?
薛之謙:音楽のように僕をつき動かすものは他にひとつもありません。僕は音楽をもう12年続けてきました。それまでの苦渋も苦労も、成功も失敗も全て背負ってきました。もしいつか、誰かが僕の口を塞ぎ歌わせなくなったら、僕はそれで終わりです。実家に戻って農業でもするかな、もちろん例えばですが。僕にとってはすでに習慣なので、諦めたくない。皆さんがそれでも僕の音楽に価値を感じて、聴きたいと思ってくれるのであれば、皆さんをごまかしたりせず、続けていきます。
【薛之谦】171108《渡》新专辑发布 腾讯娱乐 专访
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