黄軒主演ドラマ「瞄准 SNIPER」【あらすじ】【ネタバレ】
視聴し終わってからしばらくたってしまったのですが、ようやくこの記事の下書きに舞い戻ってきました。どうでもいい話のなのですが、現実生活がバタバタしていてドラマや映画をゆっくり楽しむ時間もままならず…年末年始が待ち遠しいこの頃です。
本題ですが、本記事でまとめるのは黄軒主演のドラマ「瞄准」。ある任務のトラウマから銃を手放した凄腕スナイパーがかつての相棒と対立していく、というのが作品の大筋。1949年、共産党によって解放された後の松江という都市(まぁ上海です)を舞台にしています。抗日ドラマでありがちな手酷い尋問シーンなどはほぼないので、とても観やすくなっているかと思います。
上述しているように解放後ですので、街はすでに共の産党の統治下にあり、国民党が潜伏している状況です。元々は国民党側の雇われスナイパーだった主人公が、共産党公安局の対狙撃暗殺の教官となり、かつての相棒と対立したり、はるか遠くの地・衡州での国共一触即発の軍事衝突を防ぐために、共産党とともに戦ったりします。最後はもちろん晴れて共産党入りを果たすというよくある主旋律ドラマであります。
黄軒といえば爽やか好青年のイメージが強いですが、本作では白髪まじりの優しいおじさん風(しかし、作中後半で31歳と発覚、意外と若かった)。スナイパーを辞めた後は、名前を変え木彫師として生計を立てていたわけですが、ひょんなことから共産党と国民党の抗争に巻き込まれていきます。ヒロインは、黄軒の相手役の定番・楊采鈺。「芳華」「只有蕓知道」がありますね。敵役は陳赫。「奔跑吧」のおちゃらけおじさんのイメージが強すぎたのですが、任務のためには弟子も女性も子どもも何でも利用するという冷徹な男を見事に好演。あの不気味な笑いがよかったですね。
前置きが長くなりましたが、とにかく黄軒がヒーロー一直線で、スパイ合戦もないので、分かりやすい作品に仕上がっています。ゴリゴリ戦争ものというわけでもないので、気が向いたらぜひ視聴してみてください。
目次
作品情報
原題:瞄准
英題:SNIPER
監督:五百、別克
脚本:黄暉、楊宏
出演:黄軒、陳赫、楊采鈺、李溪芮、張洪睿、林棟甫、付美、張皓然ほか
話数:57話
中国放送開始:2020年10月9日
あらすじ
1949年春、国民党保密局の暗殺組織・水母組の池鉄城に対抗すべく、松江市公安局専案組は民間人の狙撃手蘇文謙を教官として迎える。蘇文謙はかつて抗日戦争を戦った人物で、池鉄城の長年の相棒だった。蘇文謙は3年前のとある任務をきっかけに二度と銃を持たないと誓っていたが、数々の危機や、自身を慕う若い兵士の死などを経験し、再び銃を手に取り戦うことを決める。
主な登場人物
※とてもざっくりですがネタバレがありますのでご注意ください。
登場人物が多いため、本当に一部のみのご紹介です。
蘇文謙(黄軒)
曾思過という名前で木彫り師として生計を立てていたが、その正体はかつて国民党の暗殺組織水母組の池鉄城の相棒として活躍していた凄腕の狙撃手。3年前、秦鶴年を暗殺するはずが、命の恩人で友人の楊之亮を狙撃してしまい、狙撃手を辞め姿を消していた。秦紫舒母娘のことを気にかけており、小雪のことを何よりも大事にしている。彼女たちを守るため公安局に協力し、都市部での暗殺に対する技術を技術を教える教官として公安局で仕事をするようになる。欧陽とは、衝突しながらもお互いに信頼関係を築いていく。小雪の本当の父親が池鉄城だと知っていたが、池鉄城が松江に戻ってきていることを紫舒母娘にはひた隠しにしていた。紫舒母娘を守ろうとして、たびたび池鉄城に利用されることになる。後半では、水母組に潜入し池鉄城を止めようとする。計画は欧陽の予期せぬ乱入もありながらもうまく行くが、池鉄城を取り逃がしてしまう。逃げた池鉄城は蘇文謙や紫舒母娘を拉致し、秦鶴年を蘇文謙に暗殺させようとする。しかし、秦鶴年の服を着て現れた欧陽が犠牲となってしまう。その後、小雪を人質に逃亡した池鉄城が、秦鶴年を狙ってラジオ局に現れるところで対峙する。最後は、小雪を何とか救出し池鉄城を狙撃する。最終回では、公安局の科長となった姿が描かれた。
池鉄城(陳赫)
国民党保密局水母暗殺組のリーダーで凄腕の狙撃手。かつては蘇文謙とタッグを組み暗殺任務をこなしていた。松江に戻り、蘇文謙と対立することになる。任務のためには何でも利用する冷酷な性格。水母組の部下たちのことも道具程度にしか思っていない。重要情報の受け渡しに失敗した葉冠英を消すべく松江にやってくる。そして、衡州で国共が衝突するように、それを阻止しようとする殷千粟や秦鶴年を暗殺しようとする。かつて利用した女秦紫舒が自分の子ども小雪を生んでいたことを知り、2人を利用し、自身の任務のために蘇文謙を仲間に引き入れようとする。さんざん蘇文謙を利用していたが、ついに水母組に協力した蘇文謙は潜入していただけだった。最後、ラジオ局に向かう秦鶴年を暗殺すべく小雪を人質に蘇文謙と対峙、暗殺に失敗し逃げようとした際に蘇文謙に狙撃された。
欧陽湘霊(楊采鈺)
共産党社会部の女性党員。水母組について党内トップの知識を持っており、葉冠英暗殺事件に水母組が関わっていたことから公安局専案組に加わる。共産党のスパイという身分を隠し秦鶴年の秘書をしていた楊之亮とは婚姻関係にあり、彼を殺した蘇文謙を当初は敵視していた。数々の任務を蘇文謙と乗り越えるうちに蘇文謙との信頼関係が生まれる。池鉄城との狙撃手としての決戦に臨む際も、公安局に追われる身となった蘇文謙を様々な場面でサポートした。蘇文謙が水母組に潜入した際、そのことを知らされておらず、蘇文謙を追い水母組の人質となってしまう。秦紫舒の協力もあり、蘇文謙が水母組に潜入しているという事実は明らかにならず、命からがら脱出に成功する。蘇文謙から好意を伝えられるが、暗殺対象の秦鶴年を守るため、自ら秦鶴年の服をまとい暗殺現場に現れ、犠牲となる。その際、蘇文謙の想いを受け入れたという印である一輪の花を胸に差していた。
秦紫舒(李溪芮)
音楽教師。小雪の母で、秦鶴年の娘。ある事故で盲目となった。10年前、小雪の父親である男性を秦鶴年に伝えず、子どもを堕ろすように言われたことで秦鶴年と離別、小さな家で小雪と二人で生活をしていた。3年前に蘇文謙と再会してからは蘇文謙が紫舒母娘の世話を焼いていた。中盤で小雪の父親が池鉄城であることが判明する。10年前、池鉄城と蘇文謙は、秦紫舒の協力のもと、不可能と思われていた白松奇と武藤の暗殺を成功させていた。その際、池鉄城は秦紫舒を利用するため、まだ18歳の少女だった秦紫舒の心を弄んだ。池鉄城は、暗殺の際も彼女の身の危険を顧みず狙撃を行い、その結果、彼女はも盲目となった。そして秦紫舒は小雪を身ごもり、秦鶴年と仲たがいをしていたのであった。池鉄城に対する幻想的思慕を抱いており、池鉄城に再び利用されることになる。秦鶴年をおびき出すために、池鉄城は秦紫舒らを連れて香港に逃げようとするが計画は失敗に終わり、そこで秦紫舒は自分の抱いていた幻想が偽物であったことに気付く。池鉄城に拉致された際、頭をぶつけた衝撃で視力が回復する。秦鶴年を狙撃しようとする池鉄城を阻止しようとして、爆弾を爆発させ、病院に搬送される。秦鶴年とは長年の誤解が解け、秦公館で小雪とともに仲睦まじく生活を送っている。
秦雪(王亭文)
秦紫舒の娘。蘇文謙のことを慕っている。父親がいないことを学校でばかにされていた。蘇文謙からもらったパチンコを大事にしており、パチンコの腕も抜群。池鉄城が潜入していた洋菓子店のガラスを割ったことから池鉄城と知り合う。池鉄城のパチンコの腕を見て、「師匠」「ケーキおじさん」などと慕うようになる。実は蘇文謙が書いている父親からの手紙と信じて大切にしており、内容を一言一句記憶している。蘇文謙のことを父のように慕っており、蘇文謙も小雪が学校に提出する書類の父親の欄が空欄であるためにからかわれていることを知り、自身の名前を書き込む。そのことをきっかけに小雪は蘇文謙のことを蘇爸爸と呼ぶようになる。池鉄城が本当の父親だと分かった後も、蘇文謙を慕っており、池鉄城には警戒心を抱いていた。終盤、池鉄城の人質となるが、蘇文謙に救出される。
秦鶴年(林棟甫)
秦紫舒の父で、小雪の祖父。元々国民党の軍人で、第十兵団の基となった楚軍を作った人物。娘と孫がいる松江小学校校門前の屋台で毎日15時に花螺を食べている。水母組の暗殺対象である殷千粟を病院におびき出すため、酒アレルギーを持っていることを利用され、いつも食べている屋台の花螺に酒を盛られ搬送される。
衡州の国共衝突危機に際し、それを阻止しようとする共産党に協力することを当初は拒否するも、自身の秘書だった楊之亮の恋人だった欧陽の願いを聞き入れ、協力するようになる。そのせいで、秦鶴年自身も水母組の暗殺対象となる。衡州の大堤防を破壊し、大洪水を起こさせようと画策する国民党を止めるべく、自身のかつての部下廖杰を説得し、和平の望む意を伝えようとする。公安局の若者たちに守られ、最後はラジオで衡州にいる廖杰に自身の主張を伝え、堤防破壊を回避、国民党側の過激派も一掃される。
殷千粟(施羽)
秦鶴年の子弟。かつては国民党にいたが、共産党の幹部となった。衡州で国共衝突の危機を回避すべく、国民党軍の司令官との和平交渉の要として松江にやってくる。そのため、水母組の暗殺対象となり命を狙われる。欧陽の助けもあり、かつての師である秦鶴年のもとに辿りつく。衝突を回避し、平和的解決を図るための秦鶴年の書を持って衡州行きの飛行機に乗るため、港に着いたところを池鉄城に海から狙撃され犠牲となる。
ネタバレ
※ドラマ自体がかなり長いので、すごくざっくり最後の方だけまとめておきます。
かつて国民党の狙撃手として活躍した蘇文謙と池鉄城の2人だったが、3年前、蘇文謙が命の恩人である楊之亮を誤って暗殺してしまったことで、2人は対立し、相棒から仇となる。任務のため、松江に戻ってきた池鉄城は、任務の邪魔になる蘇文謙を排除し、国民党第十兵団の武装蜂起を計画通りに進めるべく暗躍することになる。
衡州で武装蜂起をしようとしていた第十兵団だったが、その最終決断を下せるのは司令の廖杰だけだった。廖杰は秦鶴年の弟子であり、2人は親子のような関係性であったが、一方が内戦に抵抗し、一方が内戦を進めようとしていたことで離反、絶縁をしていた。しかしながら、親子の情は残っており、秦鶴年は大局のために廖杰を説得すべく立ち上がる。
池鉄城は、第十兵団と共産党の連絡役だった殷千粟を暗殺、さらに廖杰を説得しようとする秦鶴年を次の暗殺対象として狙うことになる。しかし、秦鶴年はかつて任務のために利用した女性秦紫舒の父親で、秦紫舒には池鉄城との間にできた娘小雪がいた。
蘇文謙と池鉄城は最後建物の屋上で対峙する。蘇文謙は逃げようとする池鉄城を狙撃、人質になっていた小雪を無事に助ける。秦鶴年も水母組の襲撃を受けながらもラジオ局に辿りつき、廖杰の説得に成功する。第十兵団は武装蜂起を断念し、衡州は解放されることになった。