馮小剛(フォン・シャオガン)監督作、黄軒(ホアン・シュエン)主演映画「芳華」【あらすじ】【ネタバレ】
映画「芳華」は、厳歌苓の同名小説を原作とし、馮小剛(フォン・シャオガン)が監督、黄軒(ホアン・シュエン)、苗苗、鐘楚曦ら出演の中国映画。原作者の厳歌苓が脚本を務めています。1970年から80年代を舞台に、理想と激情に溢れた文工団の少年少女たちの青春、成長と時代に翻弄された数奇な運命を描いています。本作は、2017年9月7日にトロント国際映画祭でプレミア上映が行われ、同12月15日に中国全土にて公開、2019年4月12日から日本でも公開されました。
(当初は9月30日の公開予定でしたが、12月15日に変更になりました。)
本作のメガホンを取ったのは、著名な映画監督で俳優でもある馮小剛。2015年に、主演映画「老炮兒(邦題:ロクさん)」で第52回金馬奨最優秀主演男優賞を受賞。2016年には、第64回サンセバスチャン国際映画祭で監督作品「我不是藩金蓮(わたしは潘金蓮じゃない)」がゴールデン・シェル賞(最優秀作品賞)、第53回金馬奨でも最優秀監督賞を受賞しています。文工団(文芸工作団)とは、歌や踊りで最前線の兵士の慰問・鼓舞する軍の歌劇団のこと。馮小剛自身も若かりし頃、実際に所属していました。
主演を務めたのは、人気俳優の黄軒(ホアン・シュエン)。映画だけでなくドラマでも活躍しています。日本でも2018年に公開された染谷将太とのダブル主演映画「妖猫伝(邦題:空海−KU-KAI− 美しき王妃の謎)」で白居易を演じ話題となったのが記憶に新しいですね。映画だと、「非凡任務」「推拿」、ドラマだと「芈月伝(邦題:ユーミエ)」、「親愛的翻訳官」、「創業時代」など多くの作品に出演しており評価を受けています。マイケル・ジャクソンに憧れてダンスの道を志し、北京舞踏学院で学んだ黄軒。しなやかで知的な出で立ちが印象的です。ただ、それだけじゃない黄軒。見た目優男感があるんですが、男くさい泥臭い役もお手のもの。「芳華」でも中越戦争での戦闘シーンを見事に演じています。もっとこういう黄軒が観たい!と思った方は是非「非凡任務」をご覧ください。
目次
作品情報
タイトル:芳华(芳華)
英題:Youth
監督:馮小剛
公開日:2017年12月15日(2019年4月12日日本公開)
日本公式HP:芳華-Youth-
主な登場人物
劉峰(刘峰):黄軒
模範兵。文工団の女子たちの憧れの的。丁丁に想いを寄せていた。
何小萍:苗苗
農村から文工団に入団した少女。文工団に馴染めず、いじめを受ける。劉峰が心の支え。
蕭穗子(萧穗子):鐘楚曦
文工団所属の女兵。本作のナレーションを務めるストーリーテラーの役どころ。小萍や劉峰の行く末を見守る。
林丁丁: 楊采鈺
文工団のソロ歌手。夢は軍高官の子息に嫁ぐこと。その美しさから文工団の男子たちの人気を集める。劉峰もその一人だったが、劉峰との間のある事件が、彼の運命を変えることとなる。
あらすじ
1976年夢と希望に溢れた17歳の少女・何小萍(シャオピン)は、歌や踊りで兵士たちを慰労し鼓舞する歌劇団・文工団(文芸工作団)に入団する。小萍は労働改造所にいる父に軍服姿を見せようと、同室の丁丁の軍服を黙って借りて写真を撮るが、その事がばれて立場が悪くなってしまう。その上、農村出身の小萍は周囲と馴染めず、文工団の先輩からはいじめを受ける。そんな彼女の心の支えは、入団の日に自身を引率してくれた模範兵の劉峰だった。
ネタバレ
劉峰は丁丁に秘めた想いを告白し、彼女を抱き寄せるが、その現場を他の男性団員に目撃され、尋問を受けた上に別部隊へ異動させられてしまう。小萍も、負傷した主役ダンサーの代役を拒否したために、野戦病院に異動することになってしまう。
中越戦争が勃発し、小萍は中国南方のベトナムとの国境線で負傷兵の看病に従事するが、病院が爆撃された上、精神病院に入院することになる。一方、劉峰も中越戦争の最前線に送られ、右腕を失う。1980年、文工団の解散が決まり、最後の公演が行われた。その中には、精神病院に入院中の小萍の姿があった。小萍は舞台のダンスをみると、外に飛び出し、文工団で披露していたダンスを踊る。
1991年、海南省海口で、穂子は劉峰と再会する。傷痍軍人の劉峰は、日々の身銭を稼ぐのも精一杯の生活だった。
1995年、雲南省蒙自で小萍と劉峰は再会し、戦死した戦友たちの墓参りをする。その帰り、小萍は長年の想いを劉峰に告げ、劉峰は小萍を抱き寄せる。2人は結婚こそしなかったが、共に過ごしたという。