過去現在未来…真実はどこに?王千源、鹿晗主演ドラマ「在却難逃」(邦題:逃れられない運命)【あらすじ】【ネタバレ】
ここ最近、大手動画配信サイトがこぞって短編サスペンスドラマを独占配信しています。「在却難逃」もそんなドラマのうちの一つで、愛奇芸で独占配信されています。
なんと1話目で、主人公も犯人も部下もお亡くなりになってしまうという衝撃展開。しかもその後、なぜか時間が事件前に巻き戻る。時間が戻ったことに気付いた主人公は同じ悲劇を繰り返さないために奮闘します。
タイトルの「在却難逃」は、運命として決まっている災難からは到底逃げられないという意味。英題の「SISYPHUS」は、ギリシア神話のシーシュポスから来ているそう。シーシュポスの岩という話があり、神々を欺いた罰として巨大な岩を山頂まで上げるよう命じられたシーシュポス、あと少しで山頂というところまで岩を押し上げると、岩はその重みで底まで転がり落ち、この苦行が永遠に繰り返されるというもの。つまり、運命的に決まっている災難がくり返し起こり、逃げることができないという本作の主人公の状況を表したタイトルになっています。“くり返し”という点がポイントで、主人公と犯人は何度も時間軸をループし、ループを繰り返す中で徐々に謎が明かされていくという仕組みになっています。
本作では、鹿晗が悪役を演じるということで楽しみにしていました。鹿晗は、「重返二十歳」や「我是証人」や、「甜蜜爆撃」などで大学生を演じてきましたが、まぁ普通のキラキラした若者の良い奴なわけです。あのキラキラな外見で悪役をこなせたら、さぞ恐ろしく見えるだろうと思っていましたが、12話見通してみると、もっとがっつり冷酷な殺人鬼をやり切ってほしかったなという印象です。あまり言うとネタバレになってしまうのでアレなのですが、鹿晗演じる趙彬彬は「白夜行」の主人公の男の子のような雰囲気があって、なんだか可哀そうに見えてきてしまうんです。もっと徹底的にヤバイ奴を演じてほしかったなあという感想です。
ちなみに豆瓣での評価は、初回放送時は8点とかなり好調な出だしでしたが、終わってみたら6.3点と微妙な点数に。タイムループの真相が何とも言えない感じだったからでしょうか。前半がかなり衝撃的で面白かった半面、後半は落ち着いちゃった感があります。
本作は「第一季」と銘打たれていて、最終回も「この後またどうなるの?」という終わり方だったので、第二季が待たれるわけですが、一体いつ出てくるんでしょうね?(笑)期待せずにいることにします。
目次
作品情報
原題:在却難逃
英題:SISYPHUS
監制:戴瑩
監督:五百
脚本:甄福群
出演:王千源、鹿晗、斉溪、喬欣、呉越、張皓然ほか
話数:12話
中国配信開始日:2020年9月2日(愛奇芸独占配信)
あらすじ
娘の死から、警察を休職し自堕落な生活を送っていた張海峰。市内で起こった殺人事件に巻き込まれていく。自首してきた犯人・趙彬彬は、娘の死はただの事後ではないと張海峰に言う。娘の死の真相は一体なんなのか、趙彬彬はなぜ張海峰を狙うのか。なぜか時間が巻き戻る張海峰、果たして彼は事件を解決し、家族や部下を守ることができるのか。
※【請注意】登場人物の下はネタバレです。
主な登場人物
※ドラマ公式から出ている各登場人物の相関図をつけています。
張海峰(王千源)
警察官。隊長として事件を解決してきた敏腕刑事。一人娘の朵朵が事故で亡くなったことをきっかけに夫婦関係は崩壊、妻の喬昕と離婚し、警察を休職、河粉店を経営しながらも自堕落な生活を送っていた。趙彬彬が自首してきたことをきっかけに、一連の連続殺人事件、そして娘の死の真相が明らかになっていく。
趙彬彬(鹿晗)
2019年、張海峰の前に現れた黒縁眼鏡の殺人犯。張海峰の妻を人質に取り、張海峰を殺すことに執着している。2017年では、病院で実習生として働く医師。一見爽やかで好青年に見えるが、謎多き人物。
喬昕(呉越)
張海峰の元妻。娘の死をきっかけに離婚した。元々は記者をしており、本当ならば記者を辞めるつもりはなかったが、結婚・出産を機に記者の仕事を辞めた。
趙敏(齊溪)
女性警察官。2019年の時間軸では、ロングヘア―で隊を率いる立派な隊長となっている。2017年ではショートカットで張海峰の部下。
孫暁萌(喬欣)
劉雨奇の婚約者。趙彬彬が毎月通っている花屋の店主。
劉雨奇(張皓然)
孫暁萌の婚約者。爽やかな好青年。大企業の御曹司。趙彬彬とも面識がある様子。趙彬彬と孫暁萌の関係性を調査している。
※【請注意】この下はネタバレです。
ネタバレ
【事件当日:2019年5月6日】
2年前の一人娘の死後、刑事の張海峰は長期休暇を取り、河粉店を開きはしたものの自堕落な生活を送っていた。5月6日、李瀾という女性が殺害され、凶器の包丁が張海峰の店のものであることが発覚。時を同じくして、警察署に付吉亮と名乗る青年が、李瀾という女性を殺しをしたと自首してくる。しかし、「張海峰としか話をしない」と取り調べを拒否する。刑事の趙敏は、張海峰を警察署に連れ出し、青年の取り調べをさせるが、ところが、12時になると、青年は実は自分は人殺しはしておらず、張海峰を引っ張り出してくるように、恋人を人質に取られ脅されたのだという。その上、張海峰に「朵朵の死は偶然じゃない」と告げる。そして取調室で白湯を飲んだ青年は泡を吹いて倒れ、病院に搬送される。
一方、警察が付吉亮の部屋を捜索しに行くと、ベッドに上で本物の付吉亮が刺殺されているのを発見する。青年の様子を怪しく思った張海峰は病院に駆けつけるも、すでに青年は姿消していた。すると、青年から電話があり、元妻の喬昕を人質に取っていること、和平大厦の屋上で待っているということを告げられる。和平大厦の屋上につくと、青年が待っており、自身の本名は趙彬彬であることを明かす。人質を取り返そうとするも、趙彬彬が転落。一緒に喬昕も転落してしまい、張海峰は趙彬彬に左胸を撃たれてしまう。エレベーターに仕掛けられていた爆弾で駆けつけた趙敏ら警察たちも一網打尽にされる。爆発を見ながら意識を失った張海峰が目を覚ますと、事件前に時間がループしていた。
【1回目のループ:事件当日2019年5月6日】
張海峰が目覚めると事件の前日に戻っていた。河粉店には凶器となった包丁が残っていた。すると喬昕から目覚める前と全く同じ内容の電話があり、時間が巻き戻ったのだと悟る。張海峰がもう一度料理場を見ると、包丁がなくなっていた。慌てて李瀾の殺害現場に向かうが、すでに李瀾は殺害され、犯人が立ち去るところだった。張海峰は懸命に犯人を追うも取り逃がしてしまう。現場に戻ると趙敏ら警察が到着していた。凶器は自分のものだが犯人は別にいると張海峰だが、時間が巻き戻ったというにわかには信じられない話をするわけにはいかないと思い多くは語らなかったが、趙彬彬を調べろと趙敏に伝える。また、喬昕にも危険が迫っているため、護衛をつけるように言う。一方、付吉亮は自宅に帰宅した際、何者かに薬を盛られて誘拐され、市内のどこかの下水道に時限爆弾を付けられ監禁されていた。送られてきた動画の音声からマラソン大会のコース上であることを突き止め、付吉亮を発見、爆弾もギリギリのところで河に投げ捨て犠牲者が出ることはなかった。
警察が戸籍情報から趙彬彬の住所を調べ、部屋を捜索にしにいくと部屋はしばらく誰も使っていない様子だった。ただ、窓際に置かれた花は新しいものだったため、鉢にあった店名から孫暁萌の花屋に聞き込みに行く。孫暁萌によると、趙彬彬は毎月店に花を買いに来るが、交流はあまりないということだった。その時、喬昕の護衛を命じていた賀勝杰から喬昕とはぐれたと連絡が入る。張海峰は喬昕を探し出すが、喬昕はすでに新しい相手との再婚を準備しているため、もう構わないでほしいと涙ながらに訴える。しかし、再婚相手の家から帰宅する途中、喬昕は趙彬彬に誘拐されてしまう。
趙彬彬は喬昕を人質にとり、付吉亮を和平大厦の屋上に連れてくるように脅す。趙彬彬は、張海峰に包丁を渡し付吉亮を殺すように迫る。張海峰は屋上から付吉亮を突き落とす。が、下には警察がスタンバイしており付吉亮は無事だった。そして、趙彬彬は朵朵が自分の犯行現場を目撃していたことを告げる。隙を見て狙撃手が趙彬彬の手を撃ち、趙彬彬は逮捕される。連行される際、付吉亮が生きていることを知り、ものすごい形相でにらみつけていた。趙彬彬は、張海峰と話がしたいといい、張海峰と趙敏は救急車に乗り込む。そこで、趙彬彬は張海峰に「今回僕はまだあなたを殺せると思う?」と聞き、逆に張海峰が「今回お前はまだ俺を殺せると思うか?」と聞き返す。趙彬彬が「できる」と答えた瞬間、救急車は爆発したのだった。
【2回目のループ:2017年5月6日】
再び張海峰が目覚めると、趙敏が運転する車の中だった。ラジオから2017年5月6日、娘の朵朵が亡くなった当日であることを知る。張海峰は趙敏に趙彬彬を調べるように言うが、システム上に趙彬彬のデータはなかった。翌日、張海峰が起きると朵朵は中山広場に写生に向かったという。”326事件”解決の表彰を警察署で受けた後、中山広場で小競り合いが起こっていると通報が入る。朵朵の身を案じた張海峰は慌てて喬昕に連絡を取ると、写生場所が朵朵の事故現場である山に変わったという。山に張海峰が急行すると、朵朵は無事だったが、朵朵を助けたのはなんと趙彬彬であった。趙彬彬は大学卒業後、実習生として病院に勤務していた。
そんな中、大学教授の付吉亮が美術準備室で頸動脈を切られて殺害される事件が発生する。殺害方法や現場は違うものの、張海峰は事件発生が早まっているのだと考え、やはり趙彬彬が関与していると疑いを持つ。
張海峰は、付吉亮の事件後すぐに李瀾を保護した。李瀾を調査すると、かつて十方化工場の工場長を務めていたことが分かる。十方化工場は過去に甚大な汚染事故を起こした工場で、付吉亮も十方化工場で会計として働いていたことが発覚し、被害者たちの関係性が浮かび上がった。さらにもう一人、現在は画廊を経営している杜朝陽という人物が、当時の汚染事故解決による不正な利益を得ることに協力していたことを知る。張海峰らが杜朝陽の画廊に駆けつけると、杜朝陽は刃物で刺され、その現場には劉雨奇がいた。張海峰は、劉雨奇は犯人ではないが、真犯人を目撃している可能性が高いと考える。
張海峰らが調査を進めていくと、趙彬彬の実家の向かいから古い白骨遺体が発見される。近隣住民への聞き込みから、趙彬彬は早くに母親を亡くし、父親は数年前から行方知れずだという。白骨遺体は趙彬彬の父親と発覚するが、解決には至らなかった。翌日、張海峰が退院した娘を迎えに病院に行った際、本来は張海峰を狙った事故が起こる。妻と娘が犠牲となってしまい、張海峰は警察を辞め、“父親”として趙彬彬と決着をつける決意をする。張海峰は、花屋の孫暁萌が趙彬彬と繋がっていると踏んでおり、孫暁萌に趙彬彬に実家の部屋に来るように言伝を託す。しかし、部屋に現れたのは劉雨奇だった。劉雨奇の一晩待ってほしいという希望を張海峰は受け入れるが、翌日劉雨奇は刺殺体で発見される。
【事件の真相】
李瀾、付吉亮、杜朝陽、張海峰の殺害に執着していたに思われた趙彬彬だったが、彼を陰で動かしていたのは孫暁萌だった。趙彬彬と孫暁萌は孤児院で出会い、施設内でいじめられていた趙彬彬を孫暁萌がいつも助けていた。趙彬彬は自分の人生を犠牲にして、孫暁萌の幸せ・願いを叶えるべく凶行に走っていたのだった。孫暁萌の父親・孫晨は、十方化工場の研究者だった。しかし、李瀾にハメられて逮捕され、出所後は科学技術企業の研修所に軟禁され薬の開発をさせられていた。その間、孫暁萌は孤児院に預けられていた。
1年の軟禁生活を経て、孫晨は薬の開発に成功するが、それは要求されたものではなく、娘の病気の治療薬だった。開発した治療薬を持って研究所を脱出する。車で爆走する孫晨をまたまた見かけた張海峰は、慌てて孫晨の車を追いかける。しかし、孫晨は事故を起こし、車は踏切の上で停止してしまい、電車に轢かれてしまう。その様子を見ていた孫暁萌は、張海峰が父親を死に至らしめたと思い込み、長年張海峰への恨みを募らせていたのだった。真実を調べ上げた上で一緒に逃げようと言った劉雨奇を孫暁萌は刺殺し、遺体を趙彬彬とともに遺棄し、趙彬彬はその場から海に投身自殺を図るのだった。
【タイムループの真相】
なぜか時間が巻き戻る際には、謎の時計店が存在していた。張海峰が時計店に入ると、そこは真っ白な空間で、そこのにいたのは劉雨奇だった。時間が巻き戻っているというのは記憶の中の出来事で、それは劉雨奇の記憶治療実験だという。張海峰は、その実験的治療の最初の志願者で、娘を失った心の傷を癒すため、記憶の中でやり直すことでその傷を癒していくのだという。ただ何度も記憶を繰り返すほど現実世界で目覚められなくなると言われる張海峰。しかし、目の前には事件の始まりである2004年への記憶の道が開かれていた。張海峰は2004年の記憶へと向かっていくのだった。
【3回目のループ:2004年】
真相を知った超海峰は2004年、すべての原因となった2004年の記憶へと向かう。2004年、超海峰は孤児院にいた趙彬彬を養子として引き取り、入院していた孫暁萌に「永遠不滅の希望」という花言葉と共に花をプレゼントする。そして病院を出る際に、2004年当時は記者だった元妻の喬昕と会い、趙彬彬を養子に迎えたことを伝えたのだった。