井柏然&馬思純主演映画「風中有朵雨做的雲」(邦題:シャドウプレイ)【あらすじ】【ネタバレ】
目次
作品紹介
「風中有朵雨做的雲」は、2019年4月に中国で公開された映画です。日本でも2020年に邦題「シャドウプレイ」で公開予定ですが、コロナ禍により公開延期となっています。監督は、鬼才・婁燁(ロウ・イエ)。
主演は、井柏然と馬思純の2人。
どちらも評価の高い映画に多く出演している実力派ですね。勝手なイメージですが、井柏然ってなんだか芋っぽさ(ごめんなさい)がある気がしていて、でも本作ではその雰囲気が男らしさになっていていい感じです。
馬思純は、曾国祥監督作品で周冬雨とダブル主演をした「七月与安生」が良かったです。「七月与安生」で2016年に台湾金馬奨主演女優賞をダブル受賞しました。同じ作品で主演女優賞にダブルノミネートだったのですが、この授賞の瞬間がとても印象的でした。プレゼンターは馮小剛監督で、最初に周冬雨の名前が呼ばれるんですよね。その後に馬思純の名前が呼ばれるんですが、何度観ても涙が出そう…ステージ裏のインタビューで感激のあまりキスする2人の姿が話題になりましたね。
他にも、秦昊、陳妍希(ミシェル・チェン)などが出演しています。
秦昊は本当にこういう悪い男の役がとてもよく似合いますね。同じ婁燁監督作品の「浮城謎事(邦題:二重生活)」なんかもどうしようもない役ですよね。でも、盗墓筆記シリーズのドラマ「沙海」の呉邪は、いざという時に助けに来てくれてかっこよかった。ダメでどうしようもないけど、面倒見てあげなきゃと思わせる男の雰囲気がすごくあるんだと思います。あと色気。
ミシェル・チェンは、今でも「那些年、我們一起追的女孩(あの夏、君を追いかけた)」のイメージが強かったのですが、本作を観て、そろそろそのイメージから脱却しようと思いました。
話が若干逸れましたが、本作は2013年に実際に広州市で起きた汚職事件を巡る騒乱をベースにしたサスペンス。中国、香港、台湾を舞台に、改革開放が本格化した80年代末からの30年間を、時代に翻弄された複雑な人間関係とともに描かれています。現代と、汚職に手を染める4人のの過去の時間軸が交互に描かれる作りになっており、その中で少しずつ事件の真相が明らかになっていく。主人公の若い刑事は、はめられてスキャンダルを流され、殺人の濡れ衣を着せられ、追われる身となりながらも、真相へと迫っていきます。
基本情報
タイトル:風中有朵雨做的雲(风中有朵雨做的云)
英題:The Shadow Play
監督:婁燁(娄烨 ロウ・イエ)
出演:井柏然、馬思純、宋佳、秦昊、陳妍希、張頌文
中国公開日:2019年4月4日
あらすじ
中国南部のとある都市で、市の開発責任者である唐奕杰が開発計画反対の市民暴動の騒乱の中、転落死する。現場に居合わせた刑事・楊家棟は事件の捜査を始め、今回の転落死事件が数年前の連阿雲という女性の失踪事件と関係していることに気づく。
楊は、大物不動産業者の姜紫成、被害者・唐奕杰の妻・林慧とその娘・小諾の捜査も始めるが、楊は被害者の妻とのスキャンダルをでっち上げられ、情報を提供しようとした姜紫成の助手・王も目の前で殺され、その濡れ衣を着せされて追われる身となってしまう。逃亡しながらも楊は事件の真相を追う。
主な登場人物
楊家棟:井柏然(ジン・ボーラン)
転落死事件の捜査を担当する警察官。唐奕杰の死と姜紫成、林慧、そして連阿雲との関係に気付く。捜査中、嵌められて追われると身となってしまう。父親も警察官で、連阿雲の失踪時の交通事故を捜査していた。
林慧:宋佳(ソン・ジア)唐奕杰の妻で、小諾の母。若い頃は大学のマドンナで、姜紫成と恋人関係だったが、最終的には唐亦杰と結婚する。
小諾:馬思純(マー・スーチュン)
転落死した唐奕杰と林慧の娘。転落死事件をきっかけに楊家棟と知り合う。
姜紫成:秦昊(チン・ハオ)
不動産事業で成功した富豪で、林慧の元恋人。更なる利益を求めて台湾へ渡り、連阿雲と知り合い、彼女をパートナーにする。数年後広東に戻り、開発担当者の唐奕杰と通じ、不動産会社紫金置業も設立する。
連阿雲:陳妍希(ミシェル・チェン)元々は台湾のとあるキャバレーの歌い手だったが、姜紫成と出会いビジネスパートナーとなる。ある時失踪して行方不明。
唐奕杰:張頌文(ジャン・ソンウェン)
市の開発担当者。平凡な人物だが、劣等感から結婚後林慧に暴力を振るう。ビルから転落して死亡する。
ざっくりなネタバレ
殺された王助手が刑事の楊家棟に渡そうとしていた映像には、事件現場から謎の女性が立ち去る姿が映っていた。王助手はこの女性のことを連阿雲だと考えていた。
姜紫成、連阿雲、林慧、唐奕杰の4人は汚職に手を染め、事業を拡大していった。しかし、連阿雲は唐奕杰に迫られたことをきっかけに、姜紫成に金を要求し、さもなくば彼らの悪事を世間に公表すると言い出した。林慧は、街を彷徨う連阿雲を車に乗せて説得を試みるが、連阿雲は運転を妨害し、そのはずみで連阿雲の胸に誤って鋏が突き刺さり彼女は死亡していたのだった。
楊家棟はついに姜紫成を追い詰め、激しい乱闘の末に彼を確保する。そして、林慧も夫殺害の罪を認め、自首したのだった。
警察を辞め探偵事務所を開業した楊家棟の元に、夫の浮気調査の依頼が入る。女性が持って来た浮気現場を抑えたという飲食店の監視カメラ映像を見ると、そこには何と姜紫成と林慧の密会現場が映り込んでいた。時刻は唐奕杰が転落死した時間。自首したはずの林慧が犯人ではないと気付いた楊家棟は、事件現場の映像に残っていた女性が小諾だったことにも気付く。
事件当日、自身が本当は林慧と姜紫成の間にできた子供だと知っていた小諾は、唐奕杰に対して香港の大学に通うため家を出て、林慧と姜紫成の3人で暮らすと告げる。逆上した唐奕杰は、林慧と姜紫成の2人が交通事故で死んだ連阿雲の遺体を燃やして河に捨てたことを小諾に暴露する。その晩、変装した小諾は事件現場に現れ、唐奕杰を突き落としたのだった。
唐奕杰を転落させ殺害した真犯人は小諾だったのだ。香港で学生生活を送る小諾、その後ろを楊家棟は追うのだった。